ガイア
「おはよう、ニュムペ!朝食は
街外れの小屋に、新たな客が顔を出した。
彼女は、ガイアと言う名で、この
「もう、バッチリだよ。それに、会わせたい人がいるんだ」
「男だろう?、もう
「本当に、あなたの詩は素晴らしい。私は、あなたの詩を聞くために生まれてきました」
「レナトスよ、そういう言葉は、めったに使わないものだ。それに、君の詩は、繰り返す波のように心を打つ。私こそ、聞くことができて良かった」
あれから、レナトスたちは、なんとか眠りにつくことができた。
朝食が、パンと牛乳だったのは、レナトスにとって
それから
「それにしても、今も詩を書いているとは思いませんでした。また、あなたの新しい詩が読めるなんて、アマゾネスの
「いつまでも、世話になるばかりではいられないからな。売れ
「これから狩りに行くんだけど、ふたりとも、どお?」
ニュムペが扉を開けて、中の
「狩りか、久しぶりだな」
「私も、体を動かしたくなってきました」
小屋の外は明るく、
「おお……」「っこれは、まさに!」
豊かな長い髪をなびかせ、馬に乗り武装した、
王国の人間なら誰でも思い
「確かに、見慣れない顔だねぇ」
ガイアは、
「ガイア!今日は、
「ニュムペ、実家に帰った方がいい」
「え!?、どーゆーこと…」
「これは、お前の手に負えることじゃない」
ニュムペは、困惑しながらガイアと
「お前は、男を
「ニュムペ、やっぱり君が乗った方が…」
「子供扱いするな!私は、足が丈夫なんだ!」
「お前の
「うるさい!」
ニュムペは、ふくれっ
ガイアの馬の後を、レナトスとルキウスの
「お前は、まだわからないかもしれないが、男を受け入れることは、並大抵のことじゃないんだぞ。しかも、異国の者を。
レナトスは、それを聞いて、
(私は、ここにいては、いけないのだろうか?)
自分が、アマゾーン国を出て行くのは
「いえ、
レナトスの様子から察したのか、ガイアは声を
「
「わあ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”あ”!」
ニュムペが急に騒ぎ出したので、驚いたロバをレナトスは、優しく
「…その事についてだが、ガイア
ルキウスが、ガイアの背中に問いかける。
「というと?」
「我らの王国、デメトリアでは、アマゾネスとは、好戦的で支配を好み…」
ガイアは、振り返ることなく、ルキウスの話を聞いている。
「周辺の国々への進出を
「その、“
ガイアは、背中を向けたまま語る。
「アマゾネスとは、あくまで戦士のことだ。国の名にもあるように、我々は、
ガイアは、語り終えると、
レナトスは、ホッとしてロバから降りた。
正直、
ガイアが弓を引き絞って解き放つと、矢がまるで生き物のように風を切って空を進み、一羽の水鳥を
「すごーい!ガイア、さすがだね!」
すっかり機嫌の直ったニュムペは、ガイアに尊敬の眼差しを向ける。
「
レナトスも、はじめて見るアマゾーンの弓さばきに、いたく感心した。
「こらーっ!鳥!止まれっ!」
もちろん、止まるわけがない。
ニュムペの
「お前は、弓矢を道具として
「ならば、私が、ご覧に入れよう」
ルキウスは、弓を
「お見事ですぞ、殿方」
「やっぱり、私の見る目は~…」
「しまった!」
レナトスの矢は、なぜかいつも、鳥たちに動きを
「なぜ、私の矢は、当たらないんだ」
するとレナトスは、ガイアから、
やがて、故郷の村が見えてくる。
「では、殿方、後はニュムペにお
ガイアは、この後、馬を業者に返してから、仲間たちと見回りをすると言う。
実家を目の前にして、ニュムペは、足を踏み出せずにいた。
街の世話役といえども、決して裕福ではないのに、ガイアは、いつも無理をしてでも、私のために力を尽くしてくれる。
それに比べて、自分はどうだ。
家族とケンカをして、一方的に
家を、建てた。
それだって、材料は、ガイアから
そんな、世話になってばかりの自分が、今度は、男のことで、実家を頼ろうとしている。
自分が、
「これは、
目の前には、
「私、用事があるから」
「あいつは、昔から、ああいう所があるからな」
不思議そうに見送る
「あら、ガイアさん、久しぶり!」
実家の入り口では、中年の女性が客を出迎えた。
「実は、頼みたいことがあるんだが」
「そんな~水くさい。ガイアさんの頼みなら、何だって聞きますよ~あら、いい男!」
ガイアの背後から現れた
「ニコローッ!、ニーコーローってば!」
中年女性が何度も名前を呼ぶと、家の奥からガッチリした体型の青年が出て来た。
「
「お客さんなのよ、男の人!外国から来たって」
青年は、
家の奥まで来ると、青年は、振り返って
「さっき、さんざん聞いたと思うが、俺の名前は、ニコロ。この家を取り仕切る、ニュムペの兄だ。この家に住みたいなら、俺のいうことを、聞いてもらうからな!」
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