第3話 柱の穴から出た子供の手が人を招く
今では昔のことですが、
その南東の
高明はこれを聞いて驚き恐れ、穴の上にお経を結びつけたり、仏像を掛けたりしてみたのですが手招きはやみませんでした。
何をやっても手招きは全く止まず、数日止んだと思っても、また夜中に皆が寝静まったころに再び手招きが始まるのでした。
ところがある人が「試してみよう」と言って、一本の矢をその穴に差し込んでみると、矢が差し込まれている間だけは手招きが止まりました。
そこで、矢じりだけをその穴に深く差し込むと、以後手招きが起こることはなくなりました。
まったく理解が及ばないことですが、きっと霊の仕業だったのでしょう。
それにしても、矢が仏像やお経よりも強い効果を持つとは信じがたいことです。
それで当時の人はこれを聞いてみな怪しみ疑ったと、人々は語り伝えて来たのでした。
桃園柱穴指出児手招人語 第三
其の時に、
此れを思ふに、心得ぬ事也。定めて、者の霊などの
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