第二話『人体における血液の重要性と献血による各種リスク』

 ここで、日本赤十字社公式ホームページにある、「献血に関するQ&A」を見ていただきたい。


 引用ソース:日本赤十字社-Q&A-献血の後って注意することある?

 https://www.bs.jrc.or.jp/ktks/tokyo/special/m6_03_06_00_index6.html


〜〜〜以下引用(ルビ振り、記号による強調箇所あり)〜〜〜

Q.献血の後って注意することある?


A1.献血会場では水分をりながら最低【10分は休憩】して下さい。また、すぐに運動をしたり、重いものを持ったりすることは避けてください。当日は、激しい【運動】や【飲酒】は控えてください。


A2.献血直後のお【トイレ】は、男性の場合、小便であっても【座位ざい】でお願いしております。献血終了直後に立ったままで放尿すると、、その際の【転倒】を避けるためにお願いをしています。


A3.献血後は【2時間以上】経ってから【入浴】するようにして下さい。また、針を刺したところは強くこすらないようにして下さい。


A4.献血後の日常生活への影響はありません。献血いただく血液の量は血管を流れている血液量(循環血液)の【15%以下】なので、血小板成分献血の場合は、体内の約10~20%の血小板を採取しますが、血小板は常に産生されており、【1週間程度】で元に戻ります。【血漿けっしょう】成分献血の場合も【1週間程度】で元に戻ります。通常【200mL献血】の場合、【赤血球】は【約2~3週間程度】で回復し、【400mL献血】の場合は、【3~4週間】で回復するといわれています。ますので、年間の献血量が男性より少なく設定されています。

〜〜〜引用終わり〜〜〜


(補足:血漿けっしょうとは、血液から赤血球・白血球・血小板などの固形成分を除いた溶液部分であり、各種製剤に転用される)

(補足:赤血球は、酸素とくっついたり離れたりすることで、全身に酸素を運搬・供給する)



——献血をする方々の、何割が、これらを理解して受けているだろうか。



 このQ&Aは、採血する側にとっては、もし何かあった時の、「注意事項を読んで同意されましたよね?」と保険をかけるためのものともとれ、また献血には明らかに被採血者にとっての少なくないリスクをはらんでいるからこそ、上記のような指示をするのだ。


 ちなみに、人体全体に占める血液の割合というのは、重さでいうと、体重の約8%(1/12〜1/13)を占めている。だから例えば献血できる条件となる下限体重50kgの人なら、おおむね4リットル(血の比重は水の1.05倍とほぼと同等なので差は無視する)の血液が流れている。


 つまり200mL献血をすれば、血液の総量の5%、400mL献血をすれば10%を失うことになる。

 

 血液(固形成分含む)は、酸素や栄養全身に運び、かつ、浸透圧によりさまざまな物質の流れを左右するが……


そんな大事なものの量が5〜10%も減れば、何かしら健康や命に関わるリスクが発生したり、そうでなくとも、どう考えても血液の量が適正量に戻るまで、パフォーマンスが落ちる。


 運動NG、飲酒NG、入浴NG、立ち小便NG(もちろん屋外でなく、トイレの便器での、である)、回復まで週単位の期間を要する大採血。


 体の一桁ひとけたパーセントの重量を、本来必要なものを吸い取ることによって減らし、失神のリスク、その他健康上のあらゆるリスクを背負ってまで、献血をするのは、はっきり言って、恐ろしい。少なくとも私は、そう思う。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る