4 死の味を知る

闘技場の二戦目。


相手は魔法を操る男だった。


見た目は細身、目は鋭く油断ならない。


「お前、ずいぶん楽に勝ち上がったらしいな。俺相手にうまくいくと思うなよ。」

その言葉に観客たちは下品な笑い声を上げる。


俺はいつものように黙っていた。


「準備はいいか!開始!」


合図とともに、男は素早く巻物を取り出した。



その瞬間

俺は

嫌な気配を感じた


「即死魔法だ!」

神威の警告が響いた。


だが

俺の反応

一瞬

遅れた


男が巻物を開いた次の瞬間、黒い光が俺の胸に突き刺さる!


「ぐっ…!」


視界が一瞬で暗転



目を覚ましたのは控室の床の上だった。

「死んだのか?」


体は無事だったが、妙な虚脱感が全身を包んでいた。


神威が低い声で語りかけてきた。

「特殊な巻物、ああいうのを多用しても良い決まりならば、あんな奴もおるな」



闘技場には、特殊な魔法がかけられている。

蘇生されるが、その代償に寿命が一年縮む。


「まさかこんな形で初めての敗北を…」

俺は拳を握り締めた。


「可能性を感じたら瞬殺する。そう肝に銘じたはずだった。」


「それを怠った代償がこれだ。ゆめゆめ注意せよ」


俺は立ち上がり、仮面をつけ直した。

「二度と繰り返す気はない。」


試合後の控室には重苦しい沈黙が漂っていた。

だが、その静けさの中で、俺は次の戦いに向けて覚悟を新たにしていた。


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