第4話:一平って呼んでよ。

「おはようございます、おぼっちゃま」


「おはよう彩葉いろは

「またハグするの?」


「いえ、これから採血と採尿をいたします」


「さ、採血?・・・ってなに?採尿って?なんで?」


「血液検査とおしっこの検査です」

「一ヶ月に一度、検査しますからね」


「なんで、そんなことする必要あるの?」


「それが私のお仕事だからです」


「お仕事?・・・彩葉、ナースメイドだから?、そんなこともするわけ?」


「とにかく、検査しますから・・・採決と採尿したあとは私のお部屋覗かな

いでくださいね・・・精密な検査をしますから」


「なんか、怪しい・・・僕になに隠してるの?彩葉」


「なにも隠してません」


彩葉はそう言って僕を見て、またなんだよこいつ〜ってふうに目を細くした。


「私はおぼちゃまの為にと思ってしてることです」

「それにスケベなお父様から一平を頼むって仰せつかってますから」

「あと、もし一平がセックスがしたいいって求められたら相手してやってくれって」


「うそ〜・・・まじで?」

「セ、セックスって・・・・」


「スケベなお父様は分かってらっしゃるんです、おぼっちゃまはご自分の息子

だからきっと欲求不満で悶々と過ごしてるだろうって・・・」


親父のやつ・・・図星だな・・・え?じゃあ彩葉を好きにしていい訳?


「彩葉、いくら親父の言いつけでも、自分を安売りするようなことはどうかな〜

って思うけど・・・」


って僕はなにを言ってるんだ・・・彩葉を美味しくいただけがいいんだよ。


「自分が不本意って思うことはしなくていいんだよ・・・だいいち彩葉は

僕に愛情があるわけじゃないだろ?」


「私ではご不満なんですね・・・おぼっちゃま」


「彩葉に不満なんかある訳ないじゃん・・・もしそうなったら嬉しいって思うけど」

「って言うか、僕は彩葉のこと好きだよ」


「そうですか・・・同じ家の中にいるんですからよりよいコミュニケーション

測っていきましょうね、おぼっちゃま」


「それそれっ・・・前も言ったけど、おぼっちゃまって呼ぶのやめてくれないか?」


「私は、おぼちゃまの唯一のメイドです、ぶつぶつ」

「じゃ〜なんてお呼びすればよろしいんでしょうか?おぼっちゃま」


「たとえば一平さんとか一平ちゃんとか一平とか・・・?」


「呼び捨てでなんか呼べません、私」


「じゃ〜一平ちゃん、でいいじゃん」


「そんな、明星なんちゃらって即席ラーメンの名前みたいになんか呼べません、私」


「そんなこと言ったら呼びようがないじゃないかよ、一平なんだから」


「おぼっちゃまでいいじゃないですか?なにがご不満なんですか?」


「おぼっちゃまなんて呼ばれると照れくさいって言うか、こそばゆいから・・・」

「名前で呼んでくれたほうがいいんだけど・・・」


「それって命令ですか?」


「命令なんかする訳ないだろ・・・軍隊じゃあるまいしそれは個人の自由だよ」

「彩葉とは上下の隔たりなしでいたいんだからな」

「今のままじゃなんか主人と小間使いみたいじゃないか」


「あ、そんなくだらないことよりハグのお時間です、おぼっちゃま」


つづく。


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