影の中の真実

第3話 真の恐怖

路地裏の静寂は重く感じられ、まるで私たちを圧迫する暗闇のマントで包み込まれているかのようだった。奥から聞こえてくる音は人間のものではなかった。軋む音、歪んだ囁き、そして何かが裂ける湿った肉の音が混じっていた。

「まさしかくん、あれは一体なんですか？」とハヤナミさんが震えながら私の腕を強く掴み、囁いた。

彼女の視線を追ってみると、彼女が凍りついた理由がわかった。地面に横たわっている死体、内臓が露出していた。その血と腐敗の臭いが、私を平手打ちのように襲ってきて、吐き気が込み上げてきた。

「これはただの前菜だ」とその一つが、空気の中でねじれた声で言った。「もうすぐ、私たちのユーザーを食べたい」

「まだ彼らの記憶が必要だ。彼らの社交圏を食い尽くすために」ともう一つのクリーチャーが、冷静な口調で答えた。

私の思考は急速に駆け巡った。「ユーザーを食べる？」それは、彼らがカナさんとカイトくんを殺すつもりだということなのか？

「ハヤナミさん…行こう」と私は声が震えそうになるのを必死に抑えながらささやいた。

彼女は答えなかった。その視線は別のものに釘付けになっていた。彼女が震える指で指し示す先に、私は目を向けた。そこにはゴミ箱があった。その中には小さな子供の…頭のない体があった。私の胃が限界を迎えた。すぐに吐き気が込み上げてきて、静かな路地にその音が響いた。

「それ、聞こえたか？」とその一つのクリーチャーが頭をひねり、目を輝かせながら私たちの方を探し始めた。

「誰かいるのか？」ともう一つが言った。形を変え、カイトくんの顔が現れた。

私の体は凍りついた。あのクリーチャーが、私の親友のひねくれた笑顔を浮かべながら歩いてくるのを見たとき、それはどんな悪夢よりも恐ろしいものだった。それは獲物を探している捕食者で、私たちがその標的だった。

「早く、ここに！」とハヤナミさんが私の腰を掴み、信じられないほどの力で近くの壁を乗り越えた。私たちはその向こう側に隠れ、呼吸の音だけが静寂を破っていた。

「気にしなくていい、多分酔っ払っているだけだ」とクリーチャーの一つが言った。

「とにかく、もっと安全な場所を探さなきゃ」とその言葉が遠くで消えていったが、恐怖は私たちから離れることはなかった。

追われていないことを確認すると、私たちは静かにハヤナミさんのアパートに向かって走った。道中、誰も言葉を発しなかった。恐怖は喉に絡まり、壊すことができないほど強かった。

アパートに着くと、ハヤナミさんはドアを閉め、しばらくの間、すべてが静かだった。だが突然、彼女は引き裂かれるような叫び声を上げた。まるで彼女が抑えていたすべての恐怖が一気に爆発したかのように。

「信じられない！」と彼女は涙と怒りで目を満たしながら叫んだ。「あんなものと一緒にいるなんて、許せない！危険だ！聞いてるの、馬鹿！」

「僕は知らなかったんだ！」と私は涙が目に溢れそうになりながら叫んだ。「カナさんとカイトくんが浮気してると思ったんだ！」

二人とも崩れ落ちた。その言葉はすすり泣きと怒りと混ざり合いながら、路地で押し込めていたすべてがようやく解放されたようだった。

「分かった…分かった…」と数分の沈黙の後、息を整えようとしながら言った。「カイトくんとカナさんは生きているはずだ。もし彼らが『ユーザー』だとしたら…どこにいるんだ？」

「宇宙船の中？」とハヤナミさんが震えながら尋ねた。

「宇宙船だって？」と私は彼女を見て信じられないという顔をした。「あのクリーチャーを見たでしょ？どうして宇宙人だなんて言えるんだ！」

「何も分からないよ、まさしかくん！」と彼女は顔を両手で覆いながら叫んだ。「私の親友とあなたの彼女が消えてしまったのよ！そして、彼らの代わりに現れたあれは、この世界のものじゃない！」

「ああ、もう言わないで…でも、彼らを見つけなきゃ…元の彼らを。」

「警察に連絡すべきよ。彼らなら何か分かるかもしれない。」

「そして、何を言うんだ？モンスターが彼らに変身したって？絶対信じてもらえないよ！」

その議論が続く前に、私の携帯電話が鳴り始めた。着信音がアパートの中で不吉に響いた。私は画面を見た。

「カナさんからだ…」と私はささやいた。冷たい汗が背中を伝った。

「絶対出るな！」とハヤナミさんが必死で叫んだ。「あれはモンスターだよ！」

「僕…出さなきゃ…」

震える指で、私は画面をスライドさせて通話を受けた。

「どこにいるの、あなた？」とカナさんの甘い声が空気を満たしたが、私は安堵の代わりに恐怖に押し潰されそうになった。

「一体、何のためにあんなものが僕と話すんだ？」と心の中で考えた。