第2話

 ──昔から私自身には奇妙な非日常的なことが起きていた。もちろん、監禁されてたり、何か大きな事件に巻き込まれるということもなかった。でもそれ以上のことはたくさん起きた。塾の帰りに電車に乗っていると、見たことない駅で、電車が止まってしまう。まあ、その時は運よく電車が来て、脱出できたけど・・・・。

 そして、私は高校入試の時、うっかりと先生が、私の願書を高校に出し忘れてしまい、受験できなかった。仕方がないので、この底辺高校の受験を受けてしまう。案外簡単に受かった。それでも、非日常は続いた。そのせいで高校生活にひびを入れてしまった。なので私は考えた末に、同じような人たちと一緒にいたほうがいいのではと、この底辺高校の空き教室を使って、部活を作り出した。今では三人が私の部活に入部してくれている。

「みんなは、どんなことが起きたの!」


「はい、私の実家のトイレが詰まりました」


紫の瞳に黄色い髪、小柄な体をした三笠月みかさ つきは、答えた。


「うむ! 確かにそれは大変だな。はい次!!」


もう二人がいない。首をかしげている私を見て、クスッと笑った三笠は言ってきた。


「あの先輩、あの二人は別の部活で忙しいのです」


「ああ、そうなの。じゃあ、私たちで・・・」


「それですが、今回私もついていけません。友達と三宮に行くので」


「三笠ちゃんは、私よりも遊びを優先するの!!」


「そういうわけではありませんが、私にも優先順位があります」


少し思うところがあるが、まあ、良しとしよう。それからというもの、三人が部活に来なくなった。理由は、「時間を優先させたい」らしい。そして部員は私一人になってしまった。どうしようかと思ったが・・・・。


「どいて! どいてどいてどいて!!」と、廊下から誰かが走ってくる。私はそれを避けるが、


「わあ!」


後ろをを振り返ると、なんとも平凡な顔の男がそこにいた。




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神崎アイリの非日常 @HANAMIHANATABA

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