神崎アイリの非日常

@HANAMIHANATABA

第1話

 ──俺は中学三年の最後の夏に屋上で好きな人に告白した。夕日が差し込んで顔はよく見えなかったが、必ず気持ちは伝わっている・・・、そう思った。だがしかし、

「ごめん。あなたとは付き合えない」

言われてしまった。俺の心拍音は小さくなり、そのかわりにチクチクと心が痛む。最後に屋上から出ようとする彼女に理由を聞いてみた。

「私ね。あなたのような平凡な人とは付き合えないの」

いつのまにか、四つん這いになって泣いていた。告白に失敗してしまい、俺の心はズタボロだった。俺の中学最後の夏はこんな形で終わってしまった。卒業式の最後に彼女の顔を見た。幸せそうに笑っている彼女の隣には、この中学で十人の女子中学生に告白された男子中学生がいた。



底辺高校の入試を受けて見事受かった。俺の頭はそれほど良くないし、馬鹿と言っていもいいだろう。親にぞんざいに扱われている俺自身も諦めている。

「起立、礼」

始まる高校生活に、俺は少しの希望も見いだせなかった。担任の島崎先生がこれからの高校生活について話しているが、ほかの奴らは聞く耳も持たずに堂々と遊んでいる。軽く学級崩壊だ・・・。

「では、お前らにはこれから、部活を決めてもらう」

配られた紙には、陸上部、野球部、水泳部、テニス部、ゲーム部、未知部と書いていた。多少変な部活も入っている。

「まあ、それは後で回収するから、休み時間にでも決めてくれ、では、授業は終わりだ」

教室から先生が出ていくと、皆が自分のグループを作り、集まっていく。俺はトイレに行きたかったので、教室から出ていく。

「どいて! どいてどいてどいて!!」

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