エリザベス・ローズマリー・グレイ。
聖書について、最新鋭のAI『アイリス』と共に長年の研究を続けてきた…………或る朝エリザベスは、大きな成果の手応えのようなものを感じる。それは次第に確信へと変わっていき、二人は静かな喜びを得て、物語は進んでいく。
六十年。
エリザベスは研究に勤しんできた。かつての恩師である教授からの手紙を、教え子の一人に見せる。エリザベスの研究は、恩師から託されたものだったのだ。
一人の研究者の、人生の大半を捧げて尚、連綿と受け継がれていく飽くなき探究心。ひたむきなエリザベスの生き様を追う、真摯な文章は読み進める者にも、光のようなものをもたらすことでしょう。
私も、聖書モチーフのお話が好きなので、心に響くものを感じました。とても素晴らしい短編作品です。