第15話

ちょっとジェラシーを感じちゃうのは仕方ないと思う。

ほら、やっぱりきらびやかに飾ってる御姉様達に囲まれる訳だし、由來だってムラムラってしちゃったりするかも知れないしね。

そもそも、私と会ってなかった間、どうやって処理してたのかも...気になってたりもするし。


「フッ...余計な事かんがえてんじゃねぇぞ」


「...っ痛」

もう、額を指で小突かないでよね。

由來をキッと睨んだ。


「くだらねぇ妄想してんじゃねぇ。俺は三年前からお前にしか反応しねぇ」


「へっ?

間抜けな顔になる。


「だから、俺の息子が...」

と自分の股間に視線を向けてそんなことを言い出した由來に、

「う、うわぁ! もういい分かったから」

と、言葉を慌てて重ねた。

今、私の顔はきっと赤いと思う。


「クハハ...顔赤けぇ」

指差すな、そして言うな。


「う、うっさいし。ほら由來ももう仕事行って」

シッシッと手を振る。


「だから、夕方からだっつ~たろ」

その余裕の顔がムカツク。


「...そうですか」

ふんとそっぽを向いた。


「まぁ、お前が焼きもち妬いてくれるのは嬉しいな」

顔を綻ばせた由來は、本当に嬉しそうで何も言えなくなった。


「.....」

これって、焼きもちなんだろうか?

初めての感情に戸惑っちゃうな。


「あ、そうだ。亜理子が退院したら一緒に巡回に連れてく」


「はぁ?」

何を言い出すのよ。


「俺に女が居るって知らしめりゃ、無駄に寄ってこねぇだろうし。お前を自慢して歩きてぇし」


「連れて歩きたいって何よ?」

私は見世物じゃないわよ。


「ま、だから早く治せよ」

優しく頭を撫でられた。

連れてかれるのは、どうやら決定らしい。



夜の街で一悶着あるのは、この日の数ヵ月後だった。



TO Be Continued...

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