第9話

翌日になり親族を交えてこれからの治療について担当医からの説明を受けた。

因みにこの時、私の親族だと手を上げたのは三名。

もちろん、イギリスのママは居ない。

心配を掛けたくなかったので、今回の事は内緒にしてもらってる。

私が車に跳ねられた時点でパパは連絡しようとしたらしいのだけど、ママがハネムーン行ってる事を思いだし連絡を止めたらしい。

ママは今、折村さんとグリーンランドに行ってる。

しかも雪深い秘境に行ってるので、連絡をしても直ぐに来れなかっただろう。

なので、目を覚めたし、何も知らせないことにした。

折村さんと新婚ホヤホヤのママに心労はかけたくないもの。

乃絵留が亡くなった時のあの落ち込み様は半端無かったし。

私まで車に跳ねられて生死をさ迷ったとか聞いたら気絶しちゃうわ。


あ...そうそう、それで手を上げた三人てのはパパ、由來、宇佐美組長だ。

後半の二人、まだ家族じゃないよね?

ま、聞かれても問題無いので、敢えて突っ込まなかったけどさ。

病室に集まった三人は、ソファーに座って落ち着かない様子で、担当医の到着を待ってる。

広い個室とは言え、煙草は吸えないので苛立ってるご様子。

怪我してる張本人の私より緊張してるってどうなの?


さっき由來から貰ったパックのジュースを呑気に飲みながら三人を見てた。

ベッドの背もたれを上げて貰ってるので座ってても随分と楽だ。

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