第6話
誰も居なくなって静まり返った病室。
ベッドに寝転ぶと、天井を見上げる。
戻ってこれて良かった。
由來の声が白い世界から私を連れ出してくれた。
目覚めて一番最初に見たのは、由來の泣き顔。
俺様で偉そうで、強いはずの由來が泣いた。
不謹慎だけど、由來の涙を見て嬉しかった。
そして、由來から離れたくないと思った。
乃絵留、私、もう迷わないよ?
由來の傍に居ることを。
資格だとか権利だとか関係ない。
私が由來の傍に居たいの。
ごめんね、乃絵留。
そして、ありがとう、乃絵留。
私ね、思うんだ。
由來に会うのは必然だったと。
だからもう運命には抗わない。
私がママの部屋で、手紙と写真を見つけて片割れの存在を知った時から回り始めていた運命。
初めて会った由來は乃絵留の愛する人で、最低男で。
乃絵留の為に近付いたつもりが、いつからか私が囚われてた。
馬鹿だね...私。
由來を愛しちゃった。
乃絵留を裏切りたくないと思えば思うほど、心は由來へと向いていったのに、それに気づかなかったなんて私は鈍感すぎるよね?
ねぇ、乃絵留、貴女は知ってたかな? 私の気持ちを。
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