第9話 美味し!4
アルゼンチンの至宝、「カバーニャ ラス リラス」
ブエノスアイレスの高級ステーキハウス「カバーニャ ラス リラス」に、リーイエ、アイシャ、シグの3人が訪れた。この店は、アルゼンチンの最高級牛肉と名産ワイン「マルベック」を堪能できる名店として知られている。値段もそれなりだが、その価値に見合う至福の体験が約束されている。
木目を基調としたクラシックな内装で、重厚感がありつつも、温かい雰囲気が漂う。「さすが高級店だけあって、雰囲気が洗練されているわね」とリーイエが目を輝かせる。アイシャは静かに頷きながらも、その目はメニューに釘付けだ。シグは、「ま、値段のことは気にしないでガッツリ行こうぜ!」と豪快に笑っている。
最初に運ばれてきたのは、アルゼンチン産の最高級ステーキ。鉄板で焼かれたリブアイステーキは、香ばしい香りを漂わせ、肉汁が滴っている。
リーイエが一口運び、目を閉じて感動の声を漏らす。「…これは素晴らしいわね。噛むほどに肉汁が溢れ出してくるわ。」
「ほんと、ジューシーだわ!これがアルゼンチン牛の力か…」とアイシャも静かに感嘆する。
一方で、シグは頬張りながら、「ウチ、決めた。この店、地球の肉ランキング1位だ!」と豪語し、2人を笑わせる。
料理に合わせてサーブされたのは、アルゼンチンの誇る赤ワイン「マルベック」。深いルビー色を湛えた液体からは、ベリー系の香りとスパイシーなアクセントが感じられる。
リーイエがグラスを傾け、「あら、果実味がしっかりしていて、それでいてバランスが良いわ。お肉と本当に合う。」
アイシャも一口飲み、「なるほど、アルゼンチンの人たちがこれで始まりこれで終わると言うのも頷けるわね」と満足そうだ。
シグは大きく頷きながら、「このワイン、いくら飲んでも飽きない感じだな。気づいたら全部空けちゃいそうだ!」と陽気に笑う。
3人の美女たちは、ウエイターが引くぐらいの量を飲み食いしている。
肉は、1人当たり3キロ前後を平らげ、ワインは1人当たり3本を飲み干している。
「この後、ワインセラーを巡る予定だから、そろそろお暇しましょう」
「…そうね」「…名残惜しいけど…わたしたちには、アレ(増幅装置)があるからね!」
食事を終え、店を出た3人。「アルゼンチン、恐るべしだわ。肉もワインも世界トップクラスね」とリーイエが振り返ると、アイシャが「ええ。ここだけで満足してしまいそうだけど、まだ次があるわ」と微笑む。
シグは、「じゃあ次はもっとでっかい肉に挑戦しようぜ!」と冗談を飛ばし、3人はブエノスアイレスの街へと消えていった。
韓国、ソウル 「三元サモンガーデン」での美食のひととき
ソウル最大規模の飲食店「三元サモンガーデン」。収容人数1200人以上という壮大な規模でありながら、提供される料理の質は最高峰。ジラー、エルザ、ダミルィ―の3人がこの地を訪れ、美食の限りを尽くしていた。
運ばれてきたのは「サモンチョントンヤンニョムカルビ」や「ハヌカルビ」、さらには「キムチ」「ハヌプルコギ」など、韓国料理の真髄とも言える肉料理のオンパレード。続いて、「テンジャンチゲ(味噌チゲ)」や「トルソッピビムパプ(石焼きビビンバ)」といった定番料理も加わり、テーブルがまるで食の博覧会のようになった。
以前の東京某所での食事時の振る舞いを思い返し、ジラーは今回は上品に箸を動かしている。「いや~、やっぱりアタシ、少しは大人にならなきゃと思ってな」と照れ笑い。
エルザはそれを見て、「随分と真面目じゃない?でも、それもいいわね」と軽くからかい、ダミルィ―は「もっと上品になれるよう、私が手本を見せてあげますわ」と冗談交じりに微笑む。
肉料理の相棒として選ばれたのは、韓国の伝統酒「マッコリ」とキンキンに冷えたビール。ジラーがマッコリを一口飲み、「おお、これ、まろやかで飲みやすいな!」と感嘆の声を上げる。
エルザもマッコリに舌鼓を打ちながら、「これ、ほんのり甘くて、肉とよく合うわね」と感心している。ダミルィ―はビール派のようで、ジョッキを傾けながら、「この組み合わせ、かなり罪深いですわね」と笑みを浮かべた。
食べる量は多いが、3人の振る舞いは終始上品そのもの。ジラーも「いや~、今回は完璧だろ?」と胸を張る。エルザが「まあ、そうね」と応じると、ダミルィ―も「こうしていると、どこぞのお嬢様に見間違われるかもしれませんわね」と冗談めかして皆で笑い合う。
食事を終え、満足気な3人。「韓国料理、なかなかのものだわ。これだけ豊富な味わいがあるなんて」とエルザが感想を述べる。
ジラーは「アタシ、次はもっと辛いのにも挑戦したいな!」と意気込むと、ダミルィ―が「辛さで泣きたくならないように気をつけて」とクスリ。
3人は食後の散策を楽しむべく、ソウルの夜の街へと歩みを進めた。
スペイン・コスタ・ブラバ、ロザスの伝説的レストラン「エル・ブジ」でのひととき
世界屈指の予約困難店として名高い「エル・ブジ」。年間200万件もの予約希望が殺到する中、ヤシャスィーンとジャネットはその難関を軽々と突破し、至高の美食体験を味わうこととなった。
レストランに到着すると、まず二人は厨房に案内される。この店の独特な流儀として、ゲストは厨房の見学から始めるのが通例。
厨房では、シェフたちが驚くべき技術で料理を仕上げる様子を見学。2人に見惚れる者がチラホラいたが「これが『分子ガストロノミー』というやつなのね」とジャネットが興味深そうに眺めると、ヤシャスィーンも「まるで~科学の実験みたい。美しいわね~」と感嘆の声を漏らす。
テーブルに並んだのは、スペインの伝統と「エル・ブジ」の革新性が融合した料理の数々。
あさりとえびのパエリア
地中海の香りをたっぷりと詰め込んだ黄金色の一皿。絶妙な火加減と旨味に、二人は笑顔を交わす。
牡蠣のアヒージョ
ガーリックとオリーブオイルが奏でる芳醇な香りに、ヤシャスィーンは「これ、家(【エリシオン】艦内)でも作ってみたいわ」とつぶやく。
パンコントマテ
シンプルながら味わい深いトマトのパンに、ジャネットは「これだけでワインが進みそうね」と微笑む。
スペイン風オムレツ
ふわっとした食感と濃厚な味に、二人とも感嘆の声を上げる。
サングリア
フルーティーな甘さと爽やかさが絶妙で、二人はグラスを何度も傾ける。
さらに、スペインを代表するスパークリングワイン「カヴァ」も堪能。
グラン・コドーニュ・グラン・レセルバ シャルドネ
コドルニウ アルス コレクタ 459 グラン レゼルバ
レカレド トゥロ ダン モタ
いずれも極上の味わいで、二人の心をさらに満たした。
食事を終えた二人は、再び厨房へと案内される。別れの挨拶を交わす際、その場にいたシェフ全員が作業の手を止めて二人を見つめていた。
ヤシャスィーンの穏やかな笑顔、ジャネットの気品ある微笑み。その美しさは、シェフたちの心を射抜いたようだ。
「あら、ずいぶん静かね」とジャネットが軽く言うと、ヤシャスィーンは「きっと~私たちのことを~褒めているのよ~」と冗談を言い、二人で笑い合いながら店を後にした。
帰り道、ヤシャスィーンは「エル・ブジの料理は~アートそのものだったわね~」と感慨深げに語り、ジャネットも「これだから美食の旅はやめられないわ」と応じる。
スペインの夜風が二人の頬を撫でる中、満足そうな表情を浮かべ、次の目的地へと思いを馳せていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます