第8話 美味し!3
地球の文化に触れる機会を得たシンたちは、日本酒やワインの奥深い楽しみ方に興味津々だった。
「ほお~。日本酒は色々な飲み方があるんだな」とシンは感心する。
リーイエが端末を操作しながら日本酒の飲み方を紹介する。
冷酒:フレッシュで爽やかな味わいを楽しむ。寿司や刺身との相性抜群。
冷や:室温で味わうことで、穏やかな香りと柔らかい口当たりを堪能。
燗酒:温めることで深みが増し、濃厚な料理とよく合う。特に冬場におすすめ。
さらに話題はアレンジに広がる。
日本酒ハイボール:炭酸水で割り、爽快な飲み口に。
緑茶割り:和の風味を引き立てる上品なアレンジ。
日本酒カクテル:柑橘系やフルーツリキュールと合わせて楽しむ新しい味わい。
バニラアイスがけ:温かい燗酒をバニラアイスにかける贅沢なデザート。
「熱燗がいい」「冷酒がいい」と好みの温度について語り合いながら、つまみとして焼き鳥やあさりの酒蒸し風が話題に上がる。
ワイン好きのリーイエが「ワインもいいわよ」と自慢げに語る。
「例えばこの『ロマネ・コンティ』とか…」
「『スクリーミング・イーグル』なんかも素晴らしいわ」
その価格を聞いたシグが驚きの表情を浮かべる。
しかし、増幅装置を使えば高価な酒や料理も無限に再現可能。全員が満足げに頷きながら、次々と新しい組み合わせを試していった。
ミリアが「もっと美味しいものいっぱい食べたい」とシンを見つめる。
「だな」と即答するシンに、全員が笑い声を上げた。地球の文化と歴史に興味を持ちつつ、彼らは今日も和やかな時間を過ごしていた。
「俺は日本だな!」と自信満々に宣言するシン。
エマが口元を抑えながら「まぁまぁ、艦長。日本が随分とお気に入りみたいね」と微笑む。
一方、リーイエはワインリストを手に思案中。「アルゼンチンワイン…それともイタリアワイン…いや、どっちも良さそうだし、悩むわね」と深く考え込む。
最終的に、次のようにメンバーが振り分けられることになった。
1. 日本:シン、ミリア、エマ
日本酒や焼酎、和食のさらなる探求を目的に再訪する。特に、地酒の産地巡りや職人技が光る寿司店がターゲット。
2. アルゼンチン:リーイエ、アイシャ、シグ
ワイン王国アルゼンチンの「マルベック」を中心とした高品質な赤ワインを味わう旅。美しいブドウ畑やワインセラーを巡る予定。
3. 韓国:ジラー、エルザ、ダミルィ―
韓国料理のスパイス文化に興味津々のジラーを中心に、本格キムチ、プルコギ、サムギョプサル、そして伝統酒「マッコリ」を味わう予定。
4. スペイン:ヤシャスィーン、ジャネット
スペイン料理とワイン文化の融合を楽しむ。パエリアやタパス、サングリア、そしてスペインのカヴァ(スパークリングワイン)を求めて旅立つ。
リーイエが肩をすくめながら言う。「それじゃあ、みんな気をつけて。美味しいものを沢山見つけてね、それと飲み物。特にワインよ」
ジラーが「韓国の焼肉、絶対おいしいに決まってる!楽しみ~!」と笑う。
「スペインのワインは~絶対最高ね。パエリアと一緒に飲んだら~、きっと天国よ~」とヤシャスィーンも興奮気味。
それぞれのチームが準備を整え、次の冒険へと旅立っていった。
「さて、日本の次は何を食べようかな」と言うシンに、ミリアが笑顔で答える。「全部食べたい!でも、まずはお寿司!」
和やかな雰囲気の中、それぞれの旅が幕を開ける。
博多の名店「鮨割烹やま中」にて
シン、ミリア、エマの3人は、博多の名店「鮨割烹やま中」を訪れていた。この店は、地元でも評判の寿司店であり、絶品の寿司だけでなく、家族連れでも楽しめる温かい雰囲気と丁寧なサービスにあった。
暖簾をくぐると、木の温もりを感じる落ち着いた内装が広がっている。カウンター席では職人が巧みに寿司を握る姿が見え、テーブル席では家族連れが和やかに食事を楽しんでいる。
「ここ、すごいね!」とミリアが目を輝かせながら言う。「なんだか、みんな笑顔で楽しそう!」
エマが頷きながら、「ええ、素敵な雰囲気ね。それに、口コミ通り料理の期待が高まるわ。」と微笑む。
最初に運ばれてきたのは、鮮度抜群のネタを使ったおまかせ握り。大トロ、ウニ、アワビなど、どれも目を見張る美しさだ。
シンが一つ摘み、大トロを口に運ぶ。「…これだよ、求めてた味は!脂が乗ってて、でもしつこくない。最高だ!」
「ええ、とろけるわね…!」エマも感嘆の声を上げる。
ミリアは大好きなエビを一口。「ぷりっぷり!エビってこんなに甘いんだね!」と満面の笑み。
「山田錦」を飲むシン「…くぅ~。こりゃあたまらんなぁ!」「ええ、本当に美味しいわ」
すっきりとした口当たりの淡麗辛口であることが特徴で、益々、食欲が湧いてくる2人。
「鍋島」「七田」幻の酒とも呼ばれている。
「…同じコメで造られているんだよな…こうも違うものなのか…?」
日本酒の魅力にハマっていくシン。
寿司以外にも、旬の素材を活かした割烹料理が楽しめる。「この煮魚もいいな。味が深い」とシンが箸を進めると、エマも「お吸い物が上品で素敵」と感心している。
「いや、まさに噂以上だな。最高の時間だった。」満足げに話すシン。
「また来たいわね。でも、次に行く場所も気になる!」エマが楽しげに提案すると、ミリアも「次は甘いものも食べよう!」とワクワクしている。
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