第7話 コロナウイルス!?
中国・武漢のある研究施設では、分子遺伝学的解析を専門とする研究者、呉 浩然が新型コロナウイルスの存在に直面していた。偶然か意図的にせよ、できてしまい研究室は混乱状態に陥っていた。
中国政府は新型コロナウイルスの存在をひたすら隠し続けていた。
どのような症状が出るのか致死率・重症化率、ワクチンはできるのか、軍事目的に使えるか?
議論を重ねているうちに、何人か高熱、微熱、咳などの症状が出る。
「ん?…味がしない…」呉 浩然は妻に言う、味がしないと。そんなことはないアナタの舌がバカになったんじゃないの?と妻はケラケラと笑う。
呉 浩然もそういえば、ここ最近は微熱が続いており、風邪の影響か?と楽観していた。
翌朝、事態は急変した。なかなか起きてこない夫を起こしに行くと、呉 浩然は高熱で意識朦朧としている。救急搬送され病院に着いた時には亡くなっていた。
中国政府関係者、研究員も、何かおかしいと疑問が生じる…が、時すでに遅しである。
中国政府は甘くみていたのだ、新型コロナウイルスの感染率、脅威を。
この時。武漢周辺には10000人程の人が新型コロナウイルスに罹患していた。
「意図的に作ったわけではなさそうね」とジャネットが画面を見つめながらつぶやく。「けれど、作った本人が感染して既に亡くなってるなんて、皮肉なものだわ。」
ダミルィ―が呆れた声で言う。「自分たちで制御できないものを作り出すなんて、馬鹿以外の何物でもないですわ。」
アイシャが静かに頷きながら、「核爆弾や原子力発電も同じ。使い終わった核燃料なんて、どう処理するつもりなのかしら」と重ねた。
危機感を抱いたシンたちは、すでに数十万体の虫型偵察機を武漢市全域に配備。患者の所在情報と感染状況を把握していた。
「虫型偵察機に特効薬を搭載し、感染者全員に投与するわよ」とエマが計画をまとめる。
投与は完全なステルスで行われ、蚊に刺されたような感覚を覚えるだけだった。これにより、感染者は気づかぬまま快方に向かうこととなる。
史実では2020年、新型コロナウイルスによる死亡者数は世界で400万人と言われているが、実際にはもっと多くの人が亡くなっていると言われている。
「中国政府の阿呆どもがッ!打ち殺してやりてぇわ!クソがッ」
中国政府の甘い考えに怒りがわくシン。 「いいわね。殺ろう!殺ろう!」煽るエルザ。
「シン~落ち着いて~。まあ~わからなくもないけど~。」珍しくプチ怒のヤシャスィーン。
疲れたように言うジラー。「まさか、アタシらが地球人…中国政府の尻拭いをするなんてねぇ…」
「…どうするの、シン…?」不安げな顔で聞いてくるミリア。「…このままじゃ腹の虫がおさまらねぇ」
ニタリと微笑みながら提案するジャネット「アレなんてどうかしら。囚人に使う薬よ。」
ああ~。アレか、と一同は苦笑いを浮かべる。
言う事を聞かない者、反抗的な者、規律を乱す者に、罰、反省を促す為に使われる薬である。
その薬に打たれた者たちは、1年間、激痛に苦しむことになる。
「賛成!」「充分な罰ね」「アタシもそれでいいわ」「楽しみですわ」「私も~それでいいわ~」
そこに待ったをかける人物がいた。「艦長?わたしも概ね賛成だけど…地球人が1年間、激痛に耐えられるかしら?…半年もしないうちに間違いなく狂い死にすると思うわ」
「「「「「確かに」」」」」
話し合いを重ねた結果、1か月程、激痛に苦しむように調整された。
中国政府関係者、隠蔽に加担した者たちは、この1か月間、激痛に苦しむことになる。
なかには耐えられず自死した者もいたが…
シンが腕を組んで言った。「まあ、これで地球人類にとってはひとまず助かったわけだな。ただ…次はどうする?」
リーイエが応える。「本質的な問題は解決していないわ。人間が自分たちの限界を理解せずに技術を進める限り、また同じような問題が起きるでしょう。」
シンたちは、人類を導くべきか、それとも見守るべきか、悩みを深めながらも、まずは目の前の危機を一つずつ取り除くことを決意した。
「さ、次は地球の他の美味しい料理でも探しに行くか」と話題を変えるシンに、ミリアが明るく笑顔を浮かべた。「うん!それがいい!」
和気あいあいとした雰囲気の中、彼らは次の行動へと移った。
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