第6話 悪夢!

ガン○ーノ一家の7百人が一堂に会した倉庫は、恐怖の舞台と化した。灯りが消え、再び点灯した瞬間、中央に立っていたのは圧倒的な存在感を放つ3人の美女だった。 




ジラー:右手に1メートルを超える巨大な斧、左手には1.5メートルの金棒を握り、その姿はまるで戦場の女神のようだった。


エルザ:彼女が担いでいるのは、重さ100キロを超えるМ134ミニガン。圧倒的火力の象徴そのもの。


アイシャ:無手で立ち尽くす彼女は、一見何の武装もしていないように見えるが、その静かな佇まいが逆に異様な殺気を漂わせていた。




ジラーの斧が振り下ろされ、手足を切り落とし、胴体を真っ二つにする。


左手の金棒で打ち据え、肉と骨をすりつぶしていく。


「オラオラぁ!泣き叫べ!いい声で鳴けよ!!」


その戦いざまに、ある者は涙を流し命乞いを、涙、鼻水、涎、小便を垂れ流し、半狂乱する者。


腰が抜けたのかゴキブリのように、這って逃げる者。


一切の慈悲なく無力化していく。




エルザのバルカン砲が唸りを上げると、倉庫内には絶え間なく響く銃声と爆音が広がる。


「気ん持ちイイィ~~。アッ、頭を吹っ飛ばしちゃった。」


通信機から「オイオイ~ほどほどにな、エルザ?」シンが呆れたように言う。


「ゴメン、ゴメン。まだこの子(М134ミニガン)の扱いに慣れてなくて。」




彼女が撃ち続ける銃弾の嵐に、身を隠す場所など存在しなかった。逃げ惑う者も、すでに絶命した者もお構いなしに撃ち続ける。


「きゃはははははははは!」


その狂気に満ちた笑い声は、絶対的な恐怖をさらに増幅させる。




ガン○ーノ一家も黙っていたわけではない。拳銃、機関銃等で応戦する。


確実に弾が当たっているにも拘わらず、彼女たちは平然と殺しまくっていた。


「…ど、どうなってやがる!何故!平然としてる!ええ!タイラー!!?」


ドン・アルベルト・ガンビーノが幹部のタイラー・ゴメスに問いかける。


「…わ、分かりません…何でアイピャ!」鼻から上を吹っ飛ばされ、即死するタイラー・ゴメス。




恐怖が恐怖を呼びパニック状態に陥る、ガン○ーノ一家。


出口に向かって逃げ出す…そこにはアイシャがいた。




アイシャは無手ながらも圧倒的な力で次々と構成員を無力化。だが、不意に彼女の一撃が幹部の一人の頭部を吹き飛ばしてしまう。


「おいおい、アイシャもかよ!頭を吹っ飛ばしちまったら、蘇生できねえだろ!」


通信機からの声に、アイシャは困惑しながら答える。


「かなり手加減したつもりだったけど……むつかしいわ。」


その言葉に怒ることもなく、通信機の向こうでは苦笑いが広がった。




ドン・アルベルトの捕縛


ドン・アルベルト・ガンビーノは、地獄そのものの光景を目の当たりにし、動くことすらできずにいた。


「…俺は、悪い夢でも見てるのか…?ハハ…ハハハハハ、そうだ!夢だ!」


 


「残念。現実なのよね。」「頭がイッちゃたのかしら。」「…現実逃避は良くないわ。」


全身に返り血、肉片がこびりついた3人の美女が言う。




「う、噓だ!…こ、こんな事が現実的に起こるなんてありえるか?!」


「五月蠅いねぇ…」一閃。ドン・アルベルト・ガンビーノの両脚の膝下を切り飛ばした。


「ギャアアアああ、あしがッ、足がアああ、ィ、いてぇ!…痛ぇよオオォ!」


「さて、後はドローンに任せて、アタシらは【エリシオン】に帰ろうかね。」「「ええ。」」




頭のてっぺんから足の先まで恐怖を刷り込むため、シンたちはあえて彼を生きたままの状態で残したのだ。


倉庫は血と破壊の嵐が過ぎ去り、完全な静寂に包まれた。だが、アルベルトの心に刻まれた恐怖は、生涯消えることはないだろう。




ガン○ーノ一家、裏社会の頂点へ




ニューヨークシティに存在する五大マフィア組織。その中で最大の勢力を誇ったガン○ーノ一家は、一時的に力を失う苦境を経験したが、驚異的な復活を遂げた。復活の背後には、恐るべき存在があった。




シンたちが彼らに加担したのは、純粋な興味と彼らの行動を試す実験の一環だった。先の殲滅戦の後、ドン・アルベルト・ガンビーノを洗脳し、彼を裏社会の駒として利用することを決めたのだ。


復活したガン○ーノ一家は、他の4つのマフィア組織に対し、迅速かつ正確に攻撃を仕掛けた。シンたちが提供する最新の技術、情報網、資金力により、敵対する組織は次々と屈服し、吸収されていった。


それだけではない。シンたちは、裏社会の生態系を完全に掌握し、最適化するための計画を密かに進めた。各地での犯罪ネットワークを統合し、効率化を図ることで、ガン○ーノ一家の影響力を全米へと広げていった。




裏社会の帝王、ドン・アルベルト・ガンビーノ


数年後、ガン○ーノ一家は全米の裏社会を牛耳るまでに成長した。その絶大な力の象徴として、ドン・アルベルト・ガンビーノは「裏社会の帝王」として知られるようになった。


しかし、彼自身の中では恐怖が消えることはなかった。彼が座る玉座の背後には、シンたちという影が常に存在し、自身がただの「操り人形」に過ぎないことを痛感していた。


シンたちにとって、ガン○ーノ一家を支援し、全米を牛耳らせた理由は単純な権力欲ではなかった。彼らは地球人の行動様式や社会構造を観察し、さらなる実験を行うための実験場として裏社会を利用していた。地球人をどう導き、支配するのが最適かを模索する一環であり、すべては彼らの興味のための手段だった。

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