第6話 餓者髑髏と骨の騎士
「
私の背から翼が生え、魔力が霊力へ変質する。
「
私は飛び上がると、魔法を発動する。
肋骨に命中し、切り傷をつける。
「やはり魔力総量が多い。このままでは私の魔力が先に尽きてしまいますね」
魔物は魔力で身体が構成されており、魔力が尽きれば死ぬため、人間のように魔力がなくなるまで戦うことはできない。
最低限生きれるほどの魔力を残しておかなければならない。
簡単に避けられるので気にする必要はない。
「
魔力の回復速度を上げる基本魔術。使うと肉体的疲労が溜まる。
使いすぎれば戦闘不能になるだろう。
何かいい方法はないだろうか。
魔物に魔力を使わせる一番手っ取り早い方法は…
「
脛椎に風が吹き荒れる。
首の骨が折れ、
「魔物の身体は完全に分離すれば片方が消滅する。そして再生するときは必ず
方針は決まった。
それでもできるだけ魔力は節約したい。
「わざわざ京都まで取りに行ってよかった」
私は刀を取り出す。
「妖刀
名前を呼ぶと、妖刀が起動する。
私は再生した頭蓋骨まで飛び上がり、魔力を込めた
そして、頭蓋骨が砕け散った。
すかさず肋骨辺りに近づき3本の骨を同じように軽く叩くと粉々に砕けた。
だが大量の斬撃は確実に相手にダメージを与え、軽く叩くだけで数万から数億の斬撃が浴びせられる。
頭蓋骨が再生する。
それを10回ほど繰り返すと
「終わりにしましょうか」
そう呟くと頭蓋骨に接近し、叩き割る。
次に肋骨を一本ずつ砕いていく。
そして背骨を破壊すると、跡形もなく消滅した。
妖刀の能力を使うために消費したが魔力も十分残っている。
まだ戦える。
(さて、どこを手伝いましょうか…)
一番強い魔物と戦っているのは玄斗だ。
だが一番実力があるのも玄斗である。
他のメンバーが弱いというわけではないが心配である。
特に大地と麗奈は自分が戦った
フブキや
どこに加勢に行くべきだろうか。
「翔子様!」
結局主を選んだ。
翔子の仕事が一番簡単である。
だから敢えて先に終わらせて二人で1ヶ所ずつ加勢に行く各個撃破の作戦である。
決して主が一番大事だからではない。断じてない。
多かれ少なかれ個人的な理由も含まれている、というかそちらの割合の方が多いのだが、ちゃんとした理由があるのだ。
翔子は基本魔術で
成長を感じる。
ただ、悠長にしている暇はない。
早く終わらせるべきなのだ。
「
霊力の浄化作用によって
「すごい…私はまだ実力不足ね」
「いえ、翔子様も随分成長されました。早く他の方の加勢に行きましょう」
翔子たちは大地とフブキが戦っている場所へ向かい、走っていく。
大地達は
ただ、攻撃をフブキと二人掛で防ぐことで精一杯だった。
「大地様!フブキ!」
「兄上!」
「加勢に来まs…
一瞬で肉薄してきた
(速いっ!)
相手の剣が折れるが、すぐに直った。
(自身の魔力であの剣を作っているのか)
「
「
「
三人が攻撃を行う。
しかし
どうやら相手は私が最も危険と判断したらしい。
ギリギリで剣を躱す。追撃を受け太刀すると、相手の剣が砕ける。そのまま追撃するが、躱される。
そして、相手の剣が直り、攻撃される。
それを躱して妖刀を地面に突き刺す。
「
突き刺した場所を中心に斬撃が広がる。
「畳み掛けますよ!」
「「「了解!」」」
全員に合図する。
「
「
「
「
しかし飛んできた斬撃をギリギリで躱すと、雪の拳を剣で受け止めて凌いだ。
まだ相手は半分以上魔力が残っている。
(3分の1くらいは削れましたかね)
相手の魔力残量を測る。
どう考えても先ほどの
この状況でコクとハクは戦闘に参加できない。
魔物は普通、魔術が使えない。
魔法が使えないため遠距離攻撃手段を持っていない。
近接で戦うのは危険すぎる上に、私の邪魔になってしまうのだ。
また肉薄される。
妖刀を振るい、接戦を繰り広げる。
「
隙をついて魔法を発動する。そして三人が各々魔法を使う。
これを繰り返し、着実に魔力を削っていく。
フブキの
相手が剣を振るう。それを剣で受け、反撃。防がれる。
「
隙をついて魔法を発動。
そこから数分、剣戟を繰り広げた。
「
隙をついた魔法。
4人の同時攻撃が、全てが当たる。
(相手の集中力が低下してきている。でもそれはこちらも同じ…)
「っ!」
剣を避けきれず、頬が少し斬られる。
接近されすぎた。
「
腹部を剣で貫かれる。
「兄上!」
フブキの心配する声が聞こえる。
「終わりだな。
いつもの丁寧な口調ではなく荒々しい声で叫び、相手の首を断ち切る。
刺さっていた剣も消えて、血(正確には身体を巡っている魔力だが)が吹き出す。
「
翔子が魔法で傷を治す。
「ありがとうごさいます。助かりました」
翔子に頭を下げた。
「もう。無茶しないでよ」
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