第3話
Nice to meet you!僕の名前はベンジャミン。マズウェルヒル公立小学校の三年生さ。
先週遠足でワーズワース薔薇園に行った時に、ティムズ川でこのビンを拾いました。
ケンはサッカーを習ってるの?アンナも、乗馬なんてスゴいね!僕のとくいなスポーツはらクリケットとジュードーです。一年生の時にオリンピックでヤマシタが金メダルゆ取ったのをテレビで観てらパパが道場に連れて行ってくれたんだ。その日道場に行った帰りには、パパと映画館で「ベスト・キッド」という映画を観ました。僕も大人になったら、オリンピックに出たいです。僕が有名になったら、パパが僕に会いに来てくれるかもしれないし、またパパに会えるかもしれないから。
今日はこれから新聞配達のアルバイトさ。ダイアナ妃が一面に載ってる時は、親方が特別に タダてま新聞をくれるんだ。僕の宝物さ。
ママは、同じ保育園で働いていて中流階級出身のダイアナが皇太子妃になったことが気に入らないんだってさ。この前、ママは僕のダイアナ妃の新聞記事のコレクションを勝手に捨てちゃったんだ。そのことを考えると死にたくなるほど悔しいです。
だから、僕はカメレルネフチの気持ちがわかるよ。
じゃあ、また手紙書くね。
僕のパスワードは「創」です。
便箋を折り畳み、瓶に入れるや否や、ベンジャミンは自転車に跨がり、ティムズ川へとペダルを漕いだ。タワーブリッジの中央で自転車を止めると、東へ向かって思いきり瓶を投げる。
黒い川面に浮きつ沈みつ揺られる瓶はやがて見えなくなったが、少年はいつまでも川を黒い川を眺めていた。
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