第8話 姫様を助ける!
妹が馬に触る。
「良い子ね少し大人しくしていてね、ヒール」
妹が唱えると、妹と馬が光る。そして光が消えると馬の傷も消えて無くなる。
「うまく行ったみたいね!」
馬は嬉しそうに妹に近寄り頭を下げて戯れ付いている。
「ウワー、もしかして回復魔法を使えるの貴女」
ミドリさんが言って来るので、俺は人差し指を口に押し当てる。
「ダメですよ、声を出しては!」
「ごめんなさい、余りに驚いたので」
ミドリさんは謝ってくる、そしてさだ君は憧れの眼差しで妹と馬を見ている。
「すげ〜魔法だよ」
その一言でさだ君はそれ以上は言わない。
「どうしますか?森の奥に行きます、それとも此処から離れますか?」
俺は3人に聞いて行く。
「私は森に行っても良いよ」
妹が言うとミドリさんは頷く。
「さだ君はどうしますか?」
「守ってくれるなら、行きたいけど……確かに1人だと心細いのでついて行きます」
どうやらみんな賛成なので、馬を先頭に森に入って行く馬上はミドリさん、乗馬が出来るみたいだ。
「久しぶりに馬に乗るけど、やはり眺めが良いわよ、では行きますね」
少しづつ踏みつけられた草の足跡を辿って行く。
奥に入ってしばらくすると、音と声がする。
ミドリさんは馬を降りて、全員で前方を見ると戦いが行われている最中だ。
倒れている人や、戦っている人がいるけど、若い女の人とメイドさんが座り込んでいる。
(あれがさっき言っていた姫様かな?)
俺達よりは若そうだけど子供程では無い、メイドさんはミドリさん位だろう?
(どうする、どっちが味方かは分からないけど)
(戦えるのはサダ君だけよ!決めて良いわよ)
確かに戦闘力があるのは俺1人、ただ残りは敵味方合わせて4人、どちらが姫様の味方か分からない今は、両方と対峙するのは少しキツイと思う。
すると今度は、騒ぎと血の匂いで5匹の狼が現れた。
(不味いよ、今度は狼が出たよ…どうする)
(流石にお兄ちゃん危険よ、勇気ある撤退で良いんじゃ無い、私達もこの世界に来てまだ状況が飲み込めないし、助けても敵認定されると困るよ)
妹が言って来るけど、助けないで後悔はしたく無い。
「おい狼だ、逃げるぞ!」
「良いのかアレを放って行って!」
「あゝ結婚式の邪魔はしたんだ、知らない2人は亡くなったけど俺には関係無い!お前も生きたければ逃げた方がいいぞじゃあ!」
1人の男が逃げると、もう1人の男も逃げ始める。
狼は女の子の方に向かって行くが、先程の男の人が間に入って狼と対峙し始める。
(どうやら、彼が姫様の味方みたいだね、なら狼を退治しますか!)
俺は棒を持ち狼を背後から襲う。
「一撃、一撃」
2頭の狼が倒れて残りが俺の方を向くとすかさず男の人が狼に斬り掛かる!
「味方感謝する」
2人で残り3匹を退治する。
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