第2話 巻き込まれた!

何故か下では緑の渦巻く穴が出ているけど、みんなが隣に注目している。


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


隣の受付!


「もう少しで決まるから延長してくれ!」

「貴方邪魔しないで私の番なのよ!」

「うっ、うるさいぞオバサン!俺はすぐ決めてすぐ異世界に行くんだからな!」

俺ぐらいの男と少し年上のお姉さんが口論している。


「まあまあ貴方は明日にしなさいよ!1時間前に決まらなくて、今決めるよりも明日の方がいいでしょう?」

彼方の受付嬢さんは男に言っている、ただ男は興奮状態。


「とにかく異世界転生一択、すぐ送ってくれ、チート能力を沢山くれよ!」

欲が深い男だ、俺と同じ歳位だね絶対!ラノベの読みすぎだよ、程々がいいのにね。


「邪魔しないでよ、私はまた今の世界に生まれ変わるんだからね!まだこの世界に未練があるんだから邪魔はしないでよ!」

2人の口論に受付嬢さんは困り顔、早く決めないと思っているけど終了のカウントダウンが始まる。


「受付終了まで、後5分」

5分前アナウンスが始まった、所々の受付が終了札を掲げて終わり始める。


それでも揉めている2人、困り顔の受付嬢さん。


「受付終了まで、後3分」

「ほらチートをよこしてくれ!」

「邪魔よ!私は来世でのノーベル賞を貰うのよ!」

凄いぞお姉さん、壮大な計画だ!


「受付終了まで、後1分」

「早くチートを」

「ノーベル賞を下さい」

お姉さん目的間違ってますよ!


「10・9・8・7……」

「ええい何処かに行って〜」

受付嬢さんが勝手に緑の渦を出して2人を送る、すると俺たちまで送られてしまった。


「あゝ不味い、サバイバルセットと」

彼方の受付嬢さんは、サバイバルセットの袋を渦に投げる。

「能力を何も上げなかった!」

膝をつく受付嬢さん、俺の方の受付嬢さんは。

「貴女何をしているの!、能力を渡さないなんて、死ににいく様な者よ!あれあの2人も送ってしまった! 上位神様になんて報告しようかしら、困ったわよ!」


俺の方の受付嬢さんは、怒りと悲しみが交差しているけど、彼方の受付嬢さんは。

「どうしよう、能力を挙げ無いなんてどうやって報告したらいいの!先輩助けて下さい」

彼方の受付嬢はこちらの受付嬢に縋り付く。


「まず確認よ、何処の異世界に送ったの、女の子は現世に生まれ変わりたかった様だけど、男の子は異世界よね?」

「はい、イエ両方とも異世界に送ってしまいました〜、どうしたらいいんですか先輩」

このドジな後輩は、過去にも色々とやらかしっている、その都度私が裏でカバーしてたけど、この事は流石に庇いきれない!


「聞くけど私が渡した世界のどれかなの?」

「はい、先輩に頂いた20の異世界のどれかです」

「ならばまずは何処の異世界か確認して、その次に彼等の行動を確認して、どうにかして1年間は生かす様にしなさい」

泣きそうな後輩にアドバイスするけど、大丈夫だろうか?


ただI年間生きてくれれば、我々の義務は果たせる。


「はい、頑張って見つけてみます……うぅ今日は残業確定だ!夕飯が夜食になってしまった」

後輩は項垂れて奥の部屋に消えて行く。


「それよりも私の方よ、私も確認しないとね!」

私は、彼女よりも管理する異世界が多い200程だ!


「私も今日は残業確定ね!夜食は太るから食べないで……あゝ早く確認しないと」

彼女も奥の部屋に消えて行く、此処は天界転生受付所!





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