第11話 「Nクラスの精鋭集結―新たな遺跡調査チーム誕生」
対人戦で優勝した後、学院から「近郊遺跡調査」に参加してほしいとの通達が来た。ここで名が挙がったのは、ワシを含めたNクラスに到達した精鋭たちだった。
Nクラスとは、冒険者や戦士として独り立ちできる最低ライン。例えばNクラス魔物(最下級、ゴブリン相当)なら、1対1で互角以上に渡り合えるレベルだ。2年生でNに到達するのは天才の域で、卒業時にNになれば優秀と言われる世界。ワシとガルス、リールは2年でNに至る稀有な才能を示したからこそ呼ばれたのだろう。
今回のメンバーはワシ(バル)、ガルス、リール、そして3年生のレイアン先輩。レイアン先輩はNクラス中でも安定的な実力を持つ上級生だ。4人全員がN級なら、Nより数段上の魔物にも立ち向かえる。例えばMクラス魔物はN1人対処は不可能だが、Nが2人いればカバー可能。Lクラスなら3人必要。Kクラスはさらに上だが4人Nが揃えば理論上対抗できる。
放課後、特別室で顔合わせ。ガルスは剣士タイプ、リールは魔法操作が得意で中距離からの援護が可能。レイアン先輩は高い基礎力で安定した前衛を務めるだろう。そしてワシは罠見抜きや柔軟な戦術を得意とする。Nクラス4人が揃えば、未知の脅威にも対処可能だ。
リールが腕を組んで「2年でNだなんて、あたしたち3人は学院史上でも相当な逸材よ。バル、前に負けた借りはこの調査で返してみせるわ。」と気炎を上げる。
ワシは苦笑。「協力ミッションで競い合う必要はないだろ。お互い得意分野を発揮して成果を上げよう。」
ガルスはニヤリ。「まあな。力を合わせて実績を出せば、中級クエストへの道も開けるかもな。」
レイアン先輩は穏やかに微笑む。「N級4人が揃うのは学院でも珍しいわ。期待してる。」
出発は週末、目的地は前回より広い遺跡。古代魔力炉に関する文献、魔力残留値の測定、場合によってはレアな素材回収が目標らしい。ただし警戒すべきは、遺跡奥深くにはKクラス相当の魔物が潜む可能性があること。NからKまでは3段階上(n→m→l→k)の格上だが、N4人で何とか対応できる計算だ。
夜、寮で装備を整える。Nクラスのワシらでも油断は禁物。最下位ランクとはいえ独り立ちできるレベルになったばかり。高位魔物が出れば苦戦は必至。しっかり罠対策と治癒薬、魔力補助具も用意しておこう。
「二度目の人生、今度は計画的に強くなる。それがワシのやり方だ。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。