第4話 投獄
騎士団の宿舎に入るんだろうなと予測していた俺は、今、監獄の独房にいた。
冤罪を訴えたが、通るわけがなかった。何故なら、彼女が俺を訴えたのだから。
「おい、飯の時間だ」看守が飯を運んできた。
「まあ、地獄送りらしいから、今のうちに食っとけ」
「生きてるのが辛い土地らしいからな」
「しかし、なかなか豪勢な料理だな。最後の晩餐ってやつか。王女様にお礼と恩赦の手紙でも送ったらどうだ?」
看守たちは談笑をしていたが、急に声が止むと、独房の扉が開いた。そこに、彼女が立っていた。
「悪いけど、二人にしてくれる?」
レイラ王女が警護兵に指示を出す。
反論しようとしていた警護兵だったが、しぶしぶ席を外した。
「ねえ、リドリー、お願いがあるんだけど」
彼女の話し方は、まるで子供の頃の二人に戻ったようだった。
「何だ?」
俺は身構えた。こういう時の彼女は、大抵悪いことを考えている。
「取引をしましょう。もし、あなたがこの国に二度と戻らないと誓うなら、釈放するわ」
「やだね」
「もちろん、今まで尽くしてくれたんだもの。手切れ金も渡すわよ」
「……やだね」俺は、精一杯の意地を張った。
「なんでよ! 苦しんで、生きるといいわ!」彼女は目論見が外れた事を、知ると立ち去っていった。
だが、俺もすぐに、彼女の言葉が正しいことを知る事となった。
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