第3話 断罪
葬儀からしばらく経ったある日、彼女の住む屋敷が何者かに襲撃された。
それは大掛かりな襲撃で、屋敷全体が混乱に包まれた。
俺も戦闘に参加した。というか、最初に不審者を発見して、知らせたのは俺だ。
だが、不審に思ったのは、彼女の屋敷がなぜかすでに迎え撃つ準備を整えていたことだった。
そして、彼女の側には若き騎士団長の姿があった。
「リドリー、何やってるの? 邪魔よ!」
久しぶりに見る彼女は、俺を睨みつけながら怒鳴った。
「任せろ! 俺はこう見えて免許皆伝間近なんだ!」
衛兵たちの列に加わり、敵を迎え撃とうとしたその時——
「衛兵、あの者を下がらせなさい!」
俺は唖然としたまま、衛兵たちに連れられて引き下がった。
敵を数人倒しただけで、俺の戦いは終わった。
数日後、王宮に呼び出しを受けた。
「後悔のないよう用事を済ませて、必要なものは全て持ってくるように!」
それが命令だった。
王宮では、王女の屋敷を襲撃した敵を撃退した者たちへの報奨授与式が行われていた。彼女の屋敷に仕える奉公人たちも金一封を受け取っていた。
そして、次は俺の番だった。
「父上、式典の途中ですが、よろしいでしょうか?」
その声には微かに震えがあった。
「ああ、どうした、レイラ」
「私の屋敷襲撃を企てた者が、この中におります」
会場はざわつき始めた。彼女の言葉を遮る者は誰もいなかった。
「既に指示役は捕らえています。ここに……」
若き騎士団長に連れられて、大臣たち数名が入ってきた。
「お前たちに指示を出した者を指しなさい!」
大臣たちは嫌々と指を向けた。その先には、彼女の一つ上の王女と王子がいた。
「そして、屋敷襲撃を手引きした案内役がいます」
彼女の指が、俺を指し示していた。
俺は監獄に送られた。
彼女の王位継承順位は、三番目となった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます