第7話「仲間との絆」
「これは、C級!?」
白石凛の悲鳴に近い声が通信機に響く。
予期せぬ場所に出現したヴォイドは、これまでとは明らかに違った。漆黒の巨体が、禍々しい赤い光を放っている。
「陽斗!単独での対処は危険です!」
九条の警告が響く中、暗機神シャドウブレイクが発進。
「援護する」
レイの声には、いつもの冷たさがない。
「レイ!?」
「話は後だ。右翼を任せる」
二機の機神が同時に展開。しかし、ヴォイドの反応速度は予想を超えていた。
「くっ!」
陽斗の放った雷撃が空を切る。
「このまま近づくと」
レイの警告が終わる前、ヴォイドの触手が閃機神を捕らえた。
「陽斗くん!」
整備室から美咲の悲鳴。共鳴率が急降下する。
その時、レイの声が響いた。
「思い出せ。おまえの機神との絆を!」
(そうだ。機神の声を、聴くんだ!)
陽斗は目を閉じ、意識を集中させる。すると、かすかな鼓動が伝わってきた。それは、レイの暗機神とも共鳴しているような……。
「レイ!同時に!」
二機の機神が、完全な同期で動く。閃機神の雷撃が、暗機神の影刃をまとう。漆黒の刃に、稲妻が絡みつく。
「はああっ!」
二人の叫びと共に、融合した一撃がヴォイドを貫く。轟音と共に、巨大な敵が光の中に消えていった。
「共鳴率……両機同時に95%!?」
凛の驚愕の声。これは、新たな記録だった。
戦闘後、レイは静かに言った。
「お前の戦い方は、まだ荒い」
一呼吸置いて、
「だが、信頼できる相棒だ」
陽斗は頷く。これは、ライバルであり、仲間としての認め合いだった。
しかし、誰も気付いていなかった。
研究所の監視室で、グレイ副所長が不敵な笑みを浮かべていることに。
「素晴らしい。実験は、予想以上の成果を上げているようだ」
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