第3話「共鳴学院」
「ここが、国際共鳴戦士養成学院……」
陽斗は巨大な校門の前で足を止めた。敷地内には最新鋭の研究施設と寮が立ち並び、遠くには訓練用の格納庫が見える。
「転入生、相馬陽斗。かなり変わった経歴みたいね」
振り返ると、制服姿の少女が立っていた。整備班の腕章を付けている。
「山野美咲です。あなたの担当整備士になりました。よろしくお願いします」
明るい笑顔に、陽斗は少し緊張が解けた。しかし、その場の空気は一瞬で凍りつく。
「84%の共鳴率か。ただし、未熟すぎる」
氷のような声と共に現れたのは、プラチナブロンドの少年。レイ・ブラッドレイ。学院最強の パイロットと呼ばれる存在だった。
「僕は……」
「戦場に素人は必要ない。去れ」
レイの冷たい視線に、陽斗は反射的に拳を握る。しかし、美咲が間に入った。
「レイ先輩、それは酷すぎます」
「忠告だ。ヴォイドは、おまえの甘い考えなど一瞬で葬り去る」
レイが去った後、美咲は申し訳なさそうに陽斗を見た。
「気にしないで。レイ先輩、本当は悪い人じゃ……」
その言葉は警報音で遮られた。
『緊急出撃要請。D級ヴォイド、第三訓練場に出現!』
「こんな時に!」美咲が叫ぶ。
「行かせてください」陽斗は腕輪を握りしめた。
「でも、まだ正式な配属も……」
「父さんの形見である、この閃機神で、僕は何ができるのか。それを、この目で確かめたいんです!」
陽斗の瞳に宿る決意に、美咲は小さく頷いた。
「分かりました。整備班として、全力でサポートします!」
こうして、陽斗の学院生活は、いきなりの実戦とともに幕を開けた。
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