第2話 クリスマスイブ
クリスマスイブですね。
今日が終業式、明日から冬休みです。私の自由な時間は今日の午前中までとなります。実に悲しいですね。
今日の夜は姪っ子と姉の夫が来ます。姉は仕事。私の夫も仕事。
注文したピザがでかすぎたと話したら、姪っ子に「食べに行く! パパと!」と言われました。
多分姉も長女も仕事で、パパと二人でクリスマスを過ごすのが嫌という年頃的なあれなんだろうと思います。ピザがでかすぎたからいいんだけどね。
えーと、洗濯が終わったから、あとは掃除機をかけて金魚の水槽の水を入れ替えて、フルーツゼリーケーキを作り(生クリームがあまり好きではない我が子。意味わからん)、あとはサラダがあればいいよね。
ピザ! ケーキ! サラダ! 飲み物! いいよね……? こういうのいつも自信がない。一応フライドポテトも付けておくか。
ローストビーフを作ろうかなって思ったけど、ああいうちゃんとしてないとお腹壊しそうな食べ物を来客に振舞う勇気がない。
相手が、「本当にこれ食べて大丈夫なんやろか」って思いながら、でも出された手前食べるしかなくて渋々口にしているんじゃないかと疑心暗鬼になるから。
何回か作ったことあるから大丈夫だと思うんだけど、ああいうのって人間性で判断されるじゃないですか。
「この人は普段からしっかりしてるから大丈夫だろう」と思われている気がしない。
これは実際相手がどう思っているかってことじゃなくて、自分のウン十年の行動の蓄積が自身の信頼度を40%くらいに留めているわけです。だから疑心暗鬼になる。
信頼度40%か、自己肯定感が低いと思ってたけど、これって高いのかな、低いのかな。
普通の(?)自己肯定感が低い人って、回りは自分のことどれくらい信頼してると思っているのかな。
私は人からは60%くらいは肯定的に思われていると思っているんです。
別に悪さをしてきたわけじゃないし、付き合いの長い友人もいるし、大した特技があるわけじゃないけど、人に迷惑はかけないように生きてきたつもり。
あれ、自己肯定感高くない?
よくミスるし怠けるし、信頼度40%くらいなんすよーって自己評価しているけど、人は優しいから結構いい点付けてくれるっすよね、ありがたいっすよね! って思ってるって、これはめちゃくちゃ楽観的な考え方なのかな。
他者評価に依存しがちなのが自己肯定感の低い人の傾向っていうけど、彼らの他者って誰なんだろう。
私のことを見知っている人間の八割は私の事なんてどうでもいいわけで、だから私は二割の信頼されたい人に信頼されているかどうかが大事。だから私はローストビーフを作らない。
ローストビーフが原因で全員がお腹壊した場合、全員の私への信頼度が下がる。自己への信頼度もさがる。これは避けたい。
自分の力を冷静に見極めて安全なルートを選ぶ私、めちゃくちゃ信頼度高くない?
時間が押してきたので切り上げよう。
ローストビーフは簡単だし美味しいのでお勧めです。
信頼度40%の私が作っていない限りは。
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