ここは誰?私は何処!?
@maruo888
第1話
トンネルを抜けるとそこは◯国だった…
そんなワンフレーズを思い出す程に 今までと違う世界に居た
仕事を終え 最終電車を降りたはずだったのだが…
何故かジャングルの ど真ん中!??
「あれ!?
終着駅は山の中!?
改札口はどこだろう…」
見渡す限り 自然豊かな緑の木々
遠くには鳥のさえずり 小川のせせらぎ
「夢かな」
取り敢えず ほっぺたつねる
「痛い」
痛い夢かな!?
そんなの見たことあったっけ?
「あ、電車は?」
後ろを振りむいたが
そこにはみどりが ただ ただ広がっていた
ピコン!
「えっ!?」
ピコン!ピコン!
「スマホ…
こんなジャングルにも電波届くんだ…」
文明の発展とは 素晴らしいものである
今ほど痛感したことは かつて無いであろう
ポケットをまさぐり
スマホを取り出す
画面を見ると
文字化けしている!?
読めない何かが 打たれたのか
時空でも歪んだのか?
後者としか考えられない…
取り敢えず文字化けを タップしてみる
ブォン…
何かが浮かび上がった
これ3D機能あったか!?
目の前に浮かび上がったのは
人!?
このスマホ こんな機能あったか!??
そんなことを考えていると 目の前に現れたスマホの人と目が合った
「はろー!」
んっ!?
「あれ!?言語が違ったか!?
ぼんじゅーる?」
んん!?
「ジャンボー! あ、これジャンボリーの◯ッキーじゃないからね」
大きいポッキーかな!?
「ちょっとー
ハズレだけどそれウケるから!
きみ、センスあるね!」
ポッキーにセンスが必要なのかな?
あ、オネェちゃんのいる飲み屋で見た ポッキーがおしゃれなシャンパングラスに入ってて千円後半位するやつかな
確かに、あれ憧れるが 元手いくらであの価格だよ!!
「確かに あのポッキーは無性に食べたくなる なんでだろう…」
行ったことあるのか
この人同じ日本人かなぁ…
「ま、元はそんなものだよ なにせ
アイム ゴッドだからね」
ゴッド!?
強盗 ゴースト ゴブリン…
「最後のはさすがに酷いかな」
ゴッド…
オーマイガー!!
神!??
「そうだよ」
いるんだ
オーマイガー
いやいや
アイム ゴッド宣言しちゃう人
「おい!リアルだから!」
…あたまいたい人かな~
あんまり関わりたくないかも
「十ノ木 恵太 28歳
独身 1Kアパート住み 3Kにて働く
イニシャルにもK 住まい仕事にもKが沢山 どんだけKが好きなんだよ
彼女はおらず 学生時代にわずか3ヶ月だけつきあった子が一人だけもちろんイニシャルは…!? 仲良かったが ある日突如音信不通 自分だけが彼女の心配をしていたが 周りの人間は彼女の件に一切触れずに過ごして来た 人間関係が自分も彼女も希薄だったせいだろうかと謎に思いつつ その後新しく恋が芽生える事もなく 今現在に至る」
…コワッ!!
もしかして、ストーカー!?
「おい!こら!いい加減 悟ってくれ!
きみのことならなんでも知っている」
キャッ!やっぱりストーカー!!しかも告白!?
「おい!そんなわけあるか!
生まれたときからの君のことも言えるよ
なんてったって、僕は神だからね!
幼少の頃から動物好きで好かれまくる
道を歩けば肩にリスが乗り小鳥が乗り餌をねだる
だからポケットの中には常にビスケットがいっぱい
小学生の時には ナ◯シカとあだ名がついた
この黒歴史は墓場まで持参したいらしいが
実に素晴らしい才能だよ!」
アイムゴッド…
まさか、本当に!?
「そのまさかだ!」
えぇーーー!!!
神様!
先ほどの話の彼女の行方が気になっていて
彼女は今どこに!?
思わず自称神様にすがりつく
「相変わらずひどいなぁ…それでも僕は心が広いから答えよう!
彼女はここだよ!」
え!?
あたりをキョロキョロするが
あるのは緑だけ…
自称◯様詐欺!?
こんな森の中に誘拐して何しようってんだ!?
親父狩りか!?
もしくはストーカーだから 俺自身が狙い!??
きゃーー!!
「おい!どんだけ想像力豊かなんだよ!
やめてくれ!そっちの趣味は無い予定で生きていきたいのだから! 彼女に会いたいだろうか?」
ずいぶんと時間が経ってしまったが 会えるものなら会いたいな
元気だろうか
あの時俺の何が悪くて急に去っていってしまったのか
今 彼女が幸せならそれでいいよ
「うん。思った通り 十ノ木恵多 君は人を思いやれるいい人間だ
彼女は今この世界に住んでいる
ここは君の居た地球とは異なる異世界だよ
僕はこの世界の神をしている
君の彼女はある日突如 次元の穴に落ちてしまいここへやってきたんだ
街へたどり着き 異世界からやってきた聖女と崇められ 優しい人々に囲まれて生きている
だが どうしても故郷への憐憫は拭えず 最近塞ぎ込んでいるんだ
そこで 君とのことを一番心に強く 思っていたので呼び出させてもらったのだよ
どうか 彼女 カオリの心を救ってあげてくれ」
ぎゅ…急に情報量が多いぞ
カオリに会えるのか…
、元気がない!?
それは心配だ 幸せに過ごしていてくれたらそれで良かった…
俺に救ってあげられるような甲斐性あるのだろうか…、だが
会いたい!
会いに行かせてくれ!
「では契約成立!
カオリはこの木の分かれているところをずっと半日ほど進んだところにある街に住んでいるから 頼むよ
道中魔物が出たらこの件で戦って!
魔法もいくつか使えるように しておくから額を出して そうそうそのままね 」
指を頭につけられたと思ったら
急激に頭の中に文字の羅列が流れ込んでくる…
入ってきた文を何も考えずに一言一句間違えることなく言える
これは…!
こんな能力が学生の時に有ったら
人生楽だったなー
「さて、お姫様のために 無事に街までたどり着いておくれよ
ナビダイヤルもつけておくね
」
再び額に触れられると同時に 地図地名が頭に流れ込んでくる
自分のいる場所にポイントがつく
「あ、魔物や獲物のポイントもわかるようにしておくね」
地図上にポイントが増える増える
こんなにいるの!??
剣とか魔法とか触れたこと無いんだけど
大丈夫かなー?
「大丈夫だよ
カオリも6年前に通った道だよ」
そうか…
同じ道 頑張って進もう
「検討を祈るよ では 僕はここで
また困ってどうしようもない時は同じ画面をタップしておくれ 力になろう」
ありがとう神様
ストーカーだなんて思ってごめん
「よいよい 神は寛大な心を持っておる
では恵多に祝福を…」
こうして騒がしい神と別れ少し淋しく思いつつも
俺は異世界での第一歩を踏み出した
カオリ待っていてくれ!!
結果からすると道中 殺生ものなど一切なく平和に歩むことができた
幼少の頃からの動物に好かれる力は 魔物にも通用したのか
みんなフレンドリーだった
本当に!??
こんな楽勝でいいのか!?
小動物や小魔物は寄ってきては並走して歩き
どちらの道なのか迷えば
大きな鳥が来たかと思えば 肩を捕まれ地形が見えるところまで上がってくれ
しかも現在 鹿よりでかい鹿に乗せてもらって街まで来たから 超時短〜!
2時間もかからず着いたよ! ハハッ!
街には門番が待ち構えていた
「おい!待て!その方 魔物使いか!?」
槍をこちらへ向けてくる門番
やだなぁ
先端恐怖症なんだよね オレ。
「魔物使いではないが この鹿を従えている なにか?」
「ま…魔物使いではないのに
ワイルドディア…を従えているだと!?
名うての冒険者に違いない!
どうぞお通り下さい」
槍を構えるのをやめ通してくれる門番2人組み
あれっ!?楽勝!?
こんなんでいいのかな?
道行く人々が遠巻きにみんな振り返る
それはそうだろうなこんなでかい鹿が歩いていれば見るよな…
そんな中
「わぁ…大きな鹿!
ペットとして飼っていらっしゃるのかしら?」
鈴を転がすような声が聞こえた
鹿の上から見下ろすと
………!!
俺は…目から涙を溢れ出した
「カワイイですね」
君のほうが カワイイよ
「撫でてもいいですか?」
溢れる涙を止められず 目元をおさえ
声も出せず 首だけで頷いて答える
「わぁ柔らかい」
君の手で僕も撫でられたい
いやむしろ君の方が柔らかいし!
笑顔も可愛い
好きだ
好き…
好きだ
「好き」
「えっ!?」
彼女が手を止めオレを見る
「す…好きだ!カオリ!」
「…ま、まさか…」
ビックリして目が落ちそうな程に目を大きくなっ見開いているカオリ
やっぱりカワイイな
「そうだよ 恵多だよ
ずっときみのことを忘れることはなかった」
鹿からするりと降りた
頭や肩に乗っていた鳥やリスもそのままに
「恵多 変わらないね ふふっ…」
カオリが笑った
町の人々も
「聖女様が笑った」
「笑顔を見たのは久しぶりだ」
「あれは笑うだろう 鳥とリスのサーカスか!?」
口々に何か言っているが外野は気にせず…
「ケータ 会いたかったよ」
「俺もだ」
小鳥が肩から舞い上がり円を描き空を駆け巡る
リス達は俺達の周りをぴょんぴょん跳ねながら駆け巡る
今日は今まで生きてきた中で
一番 幸せな日だ
ここは誰?私は何処!? @maruo888
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