第3話 むかごご飯

 炊き込みご飯作るか。その前にむかごの下処理をしよう。


 むかごは水洗いした後、ザルに入れて軽く擦るようにかき混ぜ、余分な皮を取り除く。これでOK。


 洗いすぎると風味がなくなるので、汚れをさっと流す程度に洗うのが大事だ。


 炊飯器に米を入れ、酒、醤油、みりんを加え、水を注いでよく混ぜ、むかごを加え、普通に炊く。


 あとは時間が経てば完成。ゼンマイ天ぷら、せりのおひたしと合わせて今日の夕御飯だ。


「でっ? スカウトだっけ?」


「はい。貴方は大魔導師様から直々にスカウトが来てるのです」


「いい加減飽きないね。あのおばあさんは。僕は野草を食べるのが生きがいで、その過程で魔法が必要だから覚えたなのに」


「ダメですか?」


「僕としてはこの生活に満足してるからなぁ」


「そうですか……個人ごとですが、私は大魔導師様に『即刻連れてこい』と脅されてまして……」


「同情を誘ってるんだろうけど断る☆魔法とか微塵も興味ないもん」


「お待ちください! 私としては面目丸潰れになるんですよ! のこのこ帰ったらなんと言われるか!」


「知らないよ。勝手に怒られたら?」


「仕方ない。私は怒られないためにここに残ります! やってられるかです!」


 騎士さんはそう言うと、地面に寝っ転がって寝始めてしまった。


「開き直ったぁ!?」


 どうしようこの人。ここに放置しとく?


 いやでも放置したらモンスターに襲われたり、なんならまた行き倒れてそう。ほっとけないよなぁ。


 ひとまず僕のお家に連れて帰ろう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

次の更新予定

2024年12月13日 07:00

野草を食べよう 道楽byまちゃかり @macyakari

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画