第3話 落語は楽よ

わたしの趣味は落語である。

他に趣味らしい趣味はない。こともないが一番は落語だと思う。


理由の一番は「楽」だから。

楽だから、らくごと言うんじゃないかと時々思う。

だってただ座って聞いていればいいんだもの。


寄席の落語はだいたいお昼くらいに始まり夜の九時くらいに終わる。

ひとり15分しゃべる人が、30人くらい出てくる。

途中、休憩が3回くらい計1時間ある。つまり約8時間ほど出し物を見る。

出し物と書いたのは4人に1組くらい落語じゃないのをやるからである。

「色物さん」といって漫才師さんとか紙切りさんとかが出てくる。

傘の上で玉をくるくるしたりする人もいる。


ふつう同じところに3時間も4時間も座っていられない。

でも落語を見に行くと8時間座っていられるときがある。

隣の席の人も「この人あさイチからずっといるなと」いう人が割といる。


学生時代に8時間授業があったら地獄だし

野球とかサッカーを見るのだって2~3時間くらいでしょ。

でも落語はそれの2~3倍の時間に耐えうるのだ。


ちなみ落語自体はちょっとだけ面白いという感じだ。

つまり面白いという感じは少ない。

というか面白く無いほうが、かえって良かったりする。

大爆笑を8時間は疲れてしまうでしょ。


「あきずに聞いていられる」

そのくらいが丁度よい「らく」なのである。

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