カラッポ、廃棄場、ネジ、劇場、舞台、バレエ……作中に出てくるそれぞれの要素が歯車のように重なり、うまく噛み合っています。美しい文章によって描かれる物語は、まるで本当に劇場で舞台の踊りを見ているような気分にさせられます。ラストダンス……最後まで読めばタイトルの意味がわかると思うので、皆様もこの作品の観客に是非なってみてください。
幻想的な機械仕掛けの世界観が美しいです。文章を読んでいるとネジを巻く音や、オーケストラの音楽が聞こえてくるようでした。完璧と欠落の二面性を上手く表現されていて、“カラッポ”という存在に感情移入しました。