第3話 扉

おれはある部屋にいる

壁や床が石(大理石?)のような洋風な部屋、真ん中にはテーブルがあり如何にもお城の舞踏会のような雰囲気、だが所々をよく見ると苔や草などツタがどこからかはえできていた。そんな部屋にポツンと1人

すると花の蜜のような甘ったるい匂いがする、(今日もそりゃいるよな、、)そう、あの子だ、

「うふふ、おはよぉ、今日もお兄ちゃんったらここに来たのね」

それはもういないはずの妹、凪だった


そう俺には妹がいる、妹は元々病弱で産まれてから数年ずっと病院を入退院を繰り返していた、なので初めて会話した時にはお互い物心がついた頃だったが、幸いにもお互いすぐに打ち解けた、まだ子供だった頃俺たち兄弟は2人揃って夢遊病だった。夜中になっては2人で手を繋ぎどこかに歩いていこうとする、そのためにおれら兄弟が寝る部屋には外から鍵をかけれるようになっていた。

ある夏の日家族で森の中にある別荘で休みを過ごしていた、兄弟が寝る部屋には鍵がなかった。2人は手を繋ぎ外へ歩き出したその結果妹はもう戻ってこず俺だけが朝に意識を失っている状態で発見されたそうだ、

もう妹は戻ってこない、この状況を理解出来ずおれは夢の中で妹を明晰夢として頻繁に見るようになってしまい子供の頃は起きている時間よりも夢の時間の方を現実だと思い込んでいた、そうしなければ精神を保てなかった、、

それをきっかけで引っ越すことになり病院生活を経てなんとか普通の生活に戻れるようになった。だが今でもこうして夢に妹が明晰夢という悪夢になって頻繁に出てくる。


「今日も会えて嬉しいわぁ」

「おれはそうでもないかな」

この明晰夢のおかげで眠っている間も脳は覚醒(起きてる)状態で日中に倒れるということは度々起こるようになってしまった

「お兄ちゃんってばいつまで経っても妹離れできないんだから、、、」

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きみのような向日葵 @hanamizuu

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