第2話 いつもみたいに
夢を見てた気がする、カーテンの隙間から漏れた光をぼんやりと見ながら目覚めた。
ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン
「ったく、こんな朝から、、連打すんなよ、」
まだ寝ぼけていた体をベッドから剥がして玄関に向かう、あまり開けたくなかったが玄関を開けるしかないよな…と思いながら鍵を開けた瞬間「もう!遅い!今日から学校行くんじゃないの!?」とテンプレのようなセリフを並べてきた彼女は向かい側に住む女の子、柊 唯(ひらぎ ゆい)だ。
今日から転校する学校に同じく通う幼馴染み。「わかりやした、準備しまふ、、」新品でまだカッチカチの制服をきて1階のリビングに降りてくると柊が
「べ、別にあんたのためじゃなくて、私も朝はコーヒー派なのよ!?」とテンプレ全開のセリフをいいながらコーヒーとパンをどこからか出してきた(確か柊コーヒー苦手だったよな)
「もう!、それ食べて早く行くわよ!」と何も言ってないのにうちのお嬢はプリプリしてらっしゃる。柊とは両親が仲良いということもあり7年前にも家族ぐるみで仲良くしていた、いわゆる腐れ縁ってやつ(←これが言いたかっただけ)
サクッとパンをたいらげ、履きなれた靴を履き「行ってきます」と誰もいない家に鍵をかけた、
戻ってこないことはわかってるのに。
「えーと、初めまして八代 透です、よろしくお願いします」
「八代君は右の後ろから2番目の席ね」
自分の席に座りひと息つく、(あーゆー自己紹介ってボケた方が良かったのか?)と教室の外を見ながら考えていたら最初の授業は終わってしまった。
横を見ると、腐れ縁のツンデレ幼馴染みは真面目に勉強していた、(知り合い居なかったから助かる)
放課後、「なぁなぁ!随分とつまんない自己紹介だったな?笑」
「おれ瀬戸!よろしく、呼び捨てでいいぜ!」
と、前の席の男が話しかけてきた。
「このタイミングで転校なんて珍しいな!」
「元々ここが地元で戻ってきたんだよ」
そんな物好きもいるんだなぁ、とお互い納得してちょっと笑った。
「部活とかどーすんのー?」
「もちろん帰宅部」
そんなたわいもない会話をしながら何とか初日を終えた(今日はなんとか大丈夫だったな)
夕焼けの空を歩きながらぼーっとして家に着く、夕飯をテキトーに作り部屋でゴロゴロしていたらもう寝ないといけない時間だった、(なんて勿体ない時間の使い方なんだ…)
部屋の電気を消し暗くなった天井を見る、またしてもベッドの底から睡魔が意識を引きずり込んでくる。
そして今日も夢を見る、、、
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