第3話 二日目
祖父母の家に戻って、湖のことを祖母に聞いてみた。
祖母は、そんな所があるかよく分からないと言っていた。
山林の奥だし、知らないかもなと深く考えなかった。
明日、また会えることにウキウキしている。
そんな自分がとても可笑しくフッと笑っていた。
今朝は早めに目が覚め、お弁当を作った。
おにぎりに祖母手作り梅干しを入れ、卵焼きと
昨晩の残りのきんぴらごぼうと簡単なものだけど。
ハル君、食べてくれるかな?
待ち合わせ場所に着くとハル君はもういた。
「おはよう、ハル君。早いね。」
「ナッちゃんに早く会いたかったから。」
「ありがとう。私も会いたかったよ。」
ハル君って見た目は子供で可愛らしいのに、大人っぽく
感じてしまう。
二人で手を繋ぎ、昨日の湖についた。
「今日はお弁当を作ってきたよ。良かったら食べて。」
「わぁ、嬉しい。食べる、食べる。」
ハル君はおにぎりをほおばり、美味しそうに食べる。
「ナッちゃんも食べないの?どれも美味しい。
ナッちゃんのご飯、毎日食べたい。」
「ありがとう。喜んでもらえて嬉しい。」
こんなに喜んでもらえるなら、もっと色々作ってくればよかった。
とても幸せな気分になった。
「明日も作ってくるよ。」
「うん、明日はダメなんだ。けど、一緒に蛍を見に行きたい。」
「蛍か。この辺りは名所だもんね。行こう。」
明日の夕方、山道前の橋で待ち合わせの約束をして今日は別れた。
今は7月。6月中旬から7月初旬になると蛍が美しいらしい。
まだ見た事がないので楽しみだ。
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