第2話  あの日の朝

明美は、「きゃはは」と小さい明美が笑って居て、母親の郷美が「今日は、明美の好きなシチューよ」と笑って明美に話し掛けた。

明美が「わぁ〜、やった〜」とバンザイして喜んでいた。

明美は、虚な眼を開けて、学生カバンを持って郷美と映った写真を徐に出した。

明美は「あの頃の母親は、私の事を良く考えてくれたのにな」と寂しそうな顔をして居た。

ある女性が「あら?あなた、帰る家が無いの?もし良かったら私の家に来る?」と声を掛けられた。

明美は「え?良いんですか?」と女性に思わず聞き返した。

女性が「タクシー」と手を挙げて、タクシーを呼んで明美とタクシーに乗った。

女性から「あなた、帰る家が無いからってこんな所で寝て居たら危ないわよ」と明美を心配した。

明美が「そうですね。でも、家に帰りたくない理由があるとしたら、何だと思いますか?」と女性にクイズを出した。

女性がその瞬間、「え?何って?」と首を傾げた。

明美が「ブーッ、時間切れ」と笑って女性の仕草を面白がって居た。

そんな話をして居る間に、タクシーの運転手から「あ、此処で良いですか?」と後ろを振り向いた。

女性が「あ、ありがとうございます」とタクシーの運転手にお金を払った。

明美も次の瞬間、女性と一緒にタクシーを降りた。

女性が「此処よ。良かったら家に上がって」と女性の後について行った。

明美は「此処ってアパートだよね?何でまた?」と女性に尋ねた。

女性が徐に写真を持って来て、「私ね?この写真を見ると思い出すの。私の隣にいるのは最後まで私を見守っていた母親のゆりよ」と話を始めた。

女性は涙を流しながら「私の母親ね?私が高校生になる前に亡くなったの。病気だった。亡くなる前にお父さんの事をよろしくねって満面の笑みを浮かべて」と昔話のように話をしていた。

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