第4話 ステータス

説明回ラストです


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「それでは次に【ステータス】を確認して下さい」


 スキル鑑定が終わった俺たちは、次にステータスと呼ばれる力の確認に入った。

 これは身体機能を補正する力らしく、モンスターを倒してレベルを上げると上昇する。

 まあ、まんまゲームと同じだ。


 スキルがなくてもステータスが高ければ問題ない。

 そう思っていた時が、俺にもあった。


「【ステータス】」


 各々がその単語を口にすると、目の前に半透明の薄いボードが表示される。

 どうやら他者にも見える様で、近くにいた兵士が生徒それぞれのステータスを確認している。


 遠くから兵士たちの驚嘆する声が響く。


「レベル1で攻撃力が600超え!?流石はSランクですね、横溝様」


「おう、まあな」


「三山様は魔力700オーバー。流石、Sランクは違いますなあ」


「当然だろ」


「鏑木様は全ステータスが500に近い高水準ですな」


「まあ、よく分かりませんがお役に立てそうならなるよりです」


「白浜様はもうスキルを取得されているのですか!?いやはや、訓練もなしにスキル獲得とは凄まじい」


「ははは……えっと、ありがとうございます?」


 兵士たちが興奮している理由がいまいち分からず困惑していた様子だが、のちに説明を受けその凄さを理解した。


 レベル1のステータス値平均は、だいたい30〜50ほどらしい。

 人のよってどこか一つが100に達する例はあっても、いきなり500以上というのは凄まじい結果なのだとか。


 そして白浜が持っているというスキル。

 これは最初に俺以外が貰ったスキルとは別で、訓練等によって獲得できる技能の事を指すらしい。

 分けるとすれば、特殊スキルと一般スキル。

 白浜は何の訓練もなく、一般スキルまで覚えたいたレアケースだそうだ。


 そんなSランクの凄まじさを耳に入れながら、俺はこっそりとステータスボードを展開する。


 これが駄目なら俺は……

 嫌な予感は、見事に的中した。



【シュウト・タカハシ】


 LV:1


 体力:10

 魔力:5

 筋力:3

 敏捷:10

 耐久:5

 幸運:1


 特殊スキル:なし

 一般スキル:なし


 全てが平均にも満たないステータス。

 体力と敏捷が多少はあるが、それでも平均の三分の一しかない。

 最後の欄にある幸運:1がまさしく今の状況を表している様で、無性に腹が立った。


 俺のステータスを覗きに来ていた兵士もあからさまに怪訝な表情をし、俺から離れると女神へ報告に向かう。

 暫しの耳打ちの後、氷の如く凍てつく視線を俺は感じた。


 パクパクと女神の口が動く。

 遠くてよく見えなかったが、俺は何となくその口の動きを読んでいた。


 は・い・き・か・く・て・い


 廃棄確定?

 一体何の話だ?


 後日、俺はこの言葉の真意を知ることになる。

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