昔は昔、まあ大昔じゃないけど、ね。

 終電は各駅停車であることが常だ。

 腕時計を確認すると終電まであと15分であるとわかった。

 都会とはいえ、夜の通勤ラッシュはもうとうに終わっているため、真夜中を走る電車は30分ごとに停車して、出発するのが常だ。

 二十三の時、私はねこを飼った。

 名前は……

 パトラッ(以下略。某有名犬と同じ名前だ)

 

 ああああ——。

 ひまだなあ。

 自動販売機じどうはんばいきで買った貴重なペットボトルの炭酸水たんさんすいを、一気に飲み干して、私はため息をついた。


《やっぱり終電で帰るのが正解だったであろう?》


 と、神様からの声。


「さあ、知らない。今のところいつもとおんなじだけど♩」


 そう、私は答えた。

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猫との日常 沼津平成 @Numadu-StickmanNovel

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