第1章 「実験×転移」

「部長、実験申請書が届いています」


秘書から渡された書類に目を通したリノアは、思わず目を見開いた。


「時速170kmで走行するスーパーカーと...隕石の衝突実験?面白いわね」


「リノアさん!それは危険すぎます!」

研究主任の速水が慌てて駆け寄ってきた。


「でも、魔術と物理学の境界を探る上で、貴重なデータになるわ」

リノアは目を輝かせながら実験申請書に承認印を押した。


「せめて、安全な場所から観測を...」

「ダメよ。この目で見なければ」


実験当日。特殊強化された地下実験場で、

最新鋭のスーパーカーがエンジンを唸らせていた。


「実験開始まで、あと5分」


防護服に身を包んだリノアは、最前線の観測ポイントに立っていた。

周囲からの制止の声も、彼女の科学者としての好奇心を止めることはできない。


「実験開始、3、2、1...」


轟音と共にスーパーカーが加速する。

速度計が170kmを指す瞬間、天井から巨大な隕石が落下した。


衝突の瞬間、想定外の事態が起きた。


「なっ...速度が上がっている!?」

「190km/h!?そんな筈は...」


クラッシュしながらも加速を続けるスーパーカー。

その異常な現象が引き起こした莫大なエネルギーが空間を歪ませ始めた。


「エネルギー値4.343×10¹⁸ジュール!制御不能です!」

「これは...まさか魔術共鳴!?」


リノアの周りで空間が歪み始める。

彼女の持つSSS+ランクの魔力が、異常なエネルギーと共鳴を始めたのだ。


「みんな、離れて!」


叫び声が実験場に響く中、リノアの姿が光の渦に包まれていく。


「興味深いわ...これが魔術と物理学の境界...」


それが、この世界での彼女の最後の言葉となった。


次の瞬間、実験場からリノアの姿が消失。

残されたのは、彼女の防護服と、計測不能な魔術反応だけだった。


「部長!?部長はどこに!?」


慌てふためく研究員たち。

しかし、その時すでにリノアの意識は、まったく別の世界へと吸い込まれていた。


魔術と科学の境界で起きた未知の現象。

それは、世界最高峰の魔術科学者を、想像もしない運命へと導いていった。


時空を超えた彼女の新たな物語は、ここから始まる。

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2024年12月13日 15:00
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【ひふひふ!】『皮膚科学者は皮膚科学の夢をみるか?』~皮膚科学者な私が悪役令嬢に転生したら、スキンケア知識で帝国を救いハーレムができました~』 だみんちゃん @daminchan

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