第3話

本当は休みにしたかったけど、予約が入ってるのでそうすることが出来なかった。

「はい、経過は良好ですね。あと2回ぐらいで終わりますのでもう少し頑張りましょう。」

「手前側は完治したんですが、奥側に悪い所がありますのでこの機会に治していきましょう。」

「これで完治しました。お疲れさまでした。」

寝不足のせいでまだ体調は悪いが気持ち悪さがだいぶ無くなったので幾分か楽になった。

次で最後の一人だ。なんとかなりそうだな。

「次の方どうぞ。」

入ってきたのは中学生か高校生ぐらいの女の子だ。

「今回はどうなされましたか?」

「はい、最近歯のかみ合わせがどうも上手くいってない気がして、少し前までは気にならなかったんですが、2~3日前からひどくなってきたので、診てもらおうと思い受診しました。」

この年代で嚙み合わせが上手くいかないとなると親不知かな。

そんなことを思いながら、口を開けてもらうよう指示し中を見てみた。

思った通り親知らずだった。

「親知らずが少し傾いて生えていますね。そのせいで上手く噛み合わせが出来てないと思います。」

彼女にそう説明し、今後の治療方針を伝えた。

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