第3話『最初の分岐点』



深夜の研究室。霧島は突如として激しい違和感に襲われる。世界線観測能力が警告を発していた。視界に浮かぶ複数の可能性の中に、自分の死亡確率が急上昇する未来が見える。


「明日の夜...研究室が襲撃される?」


映し出される未来では、貴族派閥が放った刺客たちが研究室を襲撃。マナ粒子の研究データを破壊し、抵抗する霧島も排除しようとしていた。


その時、霧島の中で何かが目覚める。世界線を観測するだけでなく、積極的に分岐させることができる感覚。しかし、同時に強い警告も感じ取る。


「分岐には...何かリスクがある?」


決断を迫られる中、一人の男が姿を現す。片目が金色に輝く青年、アレックス・クロノス。


「安易に世界線を分岐させるな。7日以内に収束させなければ、両方の世界が崩壊する」


アレックスは世界線監視機関の特務調査官を名乗り、世界線能力の危険性を説明する。しかし霧島は、研究データを守るため、世界線分岐を決意。


分岐点で世界は二つに分かれる。


世界線A:霧島は研究室を別の場所に移転。襲撃を回避することに成功。

世界線B:襲撃に立ち向かい、リリアの助けを借りて迎え撃つ準備を整える。


しかし、両方の世界で予期せぬ事態が発生。世界線Aでは移転先で別の危険に遭遇。世界線Bでは想定以上の規模の襲撃部隊が現れる。


「これが世界線改変の代償...?」


その時、もう一人の重要人物が現れる。時の管理者を名乗る少女、マリエル。彼女は古めかしい懐中時計を手に、意味深な警告を残す。


「あなたの能力は、まだ目覚めたばかり。でも、その選択が世界の歯車を大きく動かすことになる」


7日目を前に、霧島は重大な決断を迫られる。世界線の収束には、どちらかの可能性を完全に消滅させなければならない。


最終的に霧島は、リリアと共に戦う世界線Bを選択。壮絶な戦いの末、研究データを守り切ることに成功する。


「科学的な研究は、必ず魔法の理解を深めることになる。それを止めることはできない」


霧島の言葉に、襲撃者たちは一旦撤退。しかし、これは始まりに過ぎなかった。

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『量子魔導士 - クロノダイバー-』 ~究極理論が導く運命の分岐点~ ソコニ @mi33x

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