第17話
煙草の煙が立ち上って、室内がシン、とした。
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥ねえ、二人のセックスってどんなの?」
俺は中田と里穂を交互に見ながら訊ねた。
「‥‥‥‥っ」
二人は何も言わないまま顔を見合わせている。
「‥もしかしてセックスまだ?」
俺は中田にゆっくりと歩み寄り、吸い込んだ煙をふうっと顔面に吐き出してやった。
「‥けほ‥っ‥‥‥!何すんだよ‥」
「‥ね、見てなよ。里穂と俺がセックスする所」
「はあ!?‥てめぇ!」
無表情で言い放った言葉。
中田はコードを解こうと暴れ回った。今更無駄な抵抗だ。
「あんまり煩いと、殺すよ?」
指先に挟んだ煙草の火を中田の眼球の近くでちらつかせてみせる。
「あ‥‥‥、熱っ!狂ってるよ!お前狂ってるよ‥‥!」
「ふふふ」
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