第5話

だが先に恋に落ちたのは俺の方だった。



 金を稼ぐ為の枕も、金の為に里穂と会うのもなんだか嫌気が差していたんだ。







 だから俺は里穂に告白をした。里穂も同じ気持ちだった。



 いつもの優しい笑みで『ありがとう』そして『私も』と言ってくれた。








 里穂と過ごした日々は楽しかった。


 遊園地、海遊館。暇さえあれば色んな場所に出かけた。



 二人で借りたマンション。


 一緒に笑い合った日々。



 懐かしさを感じる‥。





 ――俺はホストをやめなかった。相当な稼ぎもあったし辞められる筈が無かった。



 それが里穂を傷つけていたなんて微塵も知らなかった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る