第6話

「ホストやめてくれない?」


里穂は俺の目をジッと見つめ、不安気な表情で言ってきた。






「‥何で?」




‐‥‥収入もあるし。

正直、この仕事をしてから金に困った事なんて一度もない。


欲しいモノは何でも手に入る。


だから、今更昼の仕事なんてできる訳がない。



「無理なの?」


俺のシャツ袖を握り締めている里穂の手が微かに震えているのが分かった。


でもーーー…



「‥今は、まだ。」




「ーーーーそっか‥」




俯きながら吐くように言った。


それが俺達が付き合っている時、里穂が俺に言った最後の言葉だった。

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