第9話 絶対神と女帝、熟年離婚をする。―①

 毒親が離婚したのは、自分の学生時代。女帝こと毒母の暴言で病んだ自分、自サツ未遂て程じゃないけど、真夜中に私物を形見分けだって分けてたんだよね。これはKちゃんの、これはMちゃんに、これはN先輩に、Y先輩に……みたいに。

 

 つらかった。


 んで当時既に女帝と別居してた絶対神こと毒父に連絡した。自分の話を聞いた絶対神、

「俺だけかと思ってたけど、お前もあいつにされてたのか」

 その一ヶ月後、離婚。その時絶対神が言うには、

「俺だけなら我慢した。だがお前もあいつに虐待されてたんだからな。お前のために離婚したんだぞ」

「お父さんはお前のために離婚したんだ」

 この発言を結婚してから夫に言うと、

「それはおかしい。離婚は夫婦の問題だよ。妻さんは関係ないよ」

 だよな!


 ちなみに離婚から数年後。

「俺はお前に離婚という貴重な体験をさせてやったんだ!」

 絶対神はこう喚き散らした。

 先の発言といい、もう呆れ果て、絶縁するきっかけになった。


 しかし我ながら怖かったのは、

「お前のために離婚したんだぞ」

 ってリアタイで言われた時、

「絶対神はなんて素晴らしい御方なんだ」

「私のせいで絶対神に迷惑をおかけして申し訳ない」

 と心底思ったこと。


 毒親の与えてくる罪悪感、洗脳ってヤバい。

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