第8話 搾取子と愛玩子。―③

 毒母こと女帝は、搾取子であり長女である私を産んだ後も、子どもや家庭に関心を示すことはなかった。私を実家の祖父母に預け、仕事に復帰した。女帝に復帰され、職場は良い迷惑だったろう。

 その二年後に愛玩子である次女を産んだ時も、祖父母に預けようとした。見かねた祖母が、

「せめて一人でも手元で育てなさい。子どもを育てないと親の気持ちは分からない」

 と諭したところ。

「じゃあ愛玩子育てるわ。搾取は体弱くて手間だけど、愛玩は丈夫だから」

 愛玩子を連れてさっさと帰宅したそうだ。その後女帝は手づから育てた愛玩に愛着が湧いたらしく猫可愛がりしたが、祖父母に預けっ放しの私にはあまり愛情が持てなかったらしい。


 ……というような話を祖母から聞いた。自分はただ、

「まあ、そうだろうね。女帝はそういう奴だから」

 妙に納得したことを覚えている。

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