阿呆とバイトくん

ソノハナルーナ(お休み中)

第1話 俺の夢はお笑い芸人。

『阿部、このままだとお前、将来とか何考えてんだ?』

野ドリ先生は俺を心配して進路について面談した。

俺の名前は阿部星多(あべせいた)、高校3年だ。

俺の将来は決まってる。

そう、

お笑い芸人になることだ。

教室でも友達やクラスメイトを笑わせられた。

だから、俺はやれるはずだって思ったんだ。

それで、野ドリに言ってやった。

『先生、俺お笑い芸人になります。絶対成功しますから。そんときになったら、先生は俺のことすごいって思いますよ』

野ドリ先生は冷めた目で俺を見て言った。

『お前、アホか。もっと現実見てから言え。世の中には沢山の芸人さんがいる。確かに高校生で芸人になって売れたらすごいと思う。そしたら、私もめちゃくちゃ拍手する。だけどな、将来的に見て思うのは芸人にも才能と努力が必要だ。お前は今まで何か努力したか。してないだろ。来週までに何か考えて努力や才能が見出して、私を笑わせてみろ。何もできなかったら、夢を考え直せ。高校生なんだ、いくらでも今は修正できるから。次の面談があるから、ほら、行け』

野ドリ先生にあしらわれるように部屋の外に出ると藤城がいた。

直立不動のまま立っていて不気味だった。

あいつは俺に会釈して入れ替わるようにして、部屋に入って行った。

それが、俺と藤城の初見だった。

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