4. ヒュミドール:セラピーホースを目指すオルフェーヴル産駒の引退馬
ヒュミドール(父オルフェーヴル、母アヴェクトワ、母父チチカステナンゴ)
2016年生まれの赤みがかった明るい綺麗な鹿毛が映える、目元のキリッとした牡馬(3歳時点でセン馬になりました)です。
オルフェーヴルの引退とスタッドイン(種牡馬入り)が2013年なので、ヒュミドールはオルフェ産駒の中でも年長組といって差し支えないでしょう。
もしかしたら、オルフェファンなら名前を記憶しておられる人もいるのではないでしょうか。
今年2024年の2月まで8歳現役で走っていました。
悲しいかな、故障での引退です。
華々しい戦績と「金色の暴君」の異名を持つ、父オルフェーヴルの強烈な印象から考えると、世間的には、ヒュミドールの名前はあまり知られていないかもしれません。
現役時代の通算成績は、33戦4勝。
この勝利は、いずれも条件戦でのものでした。
それでも、重賞こそ未勝利ですが、2021年のG3レースでは、小倉記念のモズナガレボシの二着、福島記念のパンサラッサの二着。
22年の大阪杯、23年の天皇賞春などG1レースにも出走経験のある頑張り屋さん(というには語弊があるかも)です。
3歳時点でセン馬(去勢した牡馬)になったことから察するに、基本的にはレースに向かない気性だったのでしょう……。
情報少なすぎて何とも言えないのですが、19年5月に(気性難請負人)池添謙一騎手(父オルフェの主戦だったのでご縁だと思いますが)騎乗ののち、次走同年11月の乗り替わりでセンになってるので、まあ、はい、そういうことかと(お察し)
引退レースとなったダイヤモンドS(1着テーオーロイヤル)後、右前脚屈腱炎を発症し、療養を経て乗馬へと転向する予定でしたが、症状が想定よりも深刻で乗馬への道を諦めることになったそうです。
現在は引退馬支援のクラウドファンディングや寄付も開始され、脚の状態を見ながらセラピーホースとしてのトレーニングに励んでいるとのこと。
日本では、まだまだこれからの分野ではあるのですが、動物セラピーの一環として、犬や猫といった小動物のみならず、近年、馬によるセラピー療法にサラブレッドたちも活かせるのではないかと注目が集まっています。
引退馬たちの第二、第三の生きる道がこうして着実に確立しつつあることは嬉しいことです。
オルフェ産駒を追っているヒュミドールファンの方々の情報によると、今年3月の時点で、茨城県にある井ノ岡トレーニングセンターで訓練を受けている様子が確認されています。
無理せず、じっくりと治療とトレーニングを頑張ってほしいな。
このヒュミドール、現在は一般見学はできないのですが(療養リトレーニング中ですからね)、その代わり、引退馬支援カメラさん協力のもと、ほぼ毎日馬房のライブ配信が行われています。
(ライブ配信中に放牧に出てしまい、空っぽの馬房をひたすらお掃除するスタッフさんを観察するという時間帯もあります・笑)
私も定期的に見守りチェックしていますが、ひとまず大事にお世話されて無事な姿が確認できるので一安心です。
寒くなってきたので、最近は馬着を羽織ってもりもりごはんを食べて、のんびりくつろいでいる様子が窺えます。
少し興味が湧いたかも、という方、もし良ければスキマ時間にでも、こそっと配信を覗いてみてくださいな。馬ライフの見守りができます、ふふふ。
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