しりたがりのうまがたり

2. 引退馬雪原ステークスin北海道

　2024年12月も上旬になると全国で降雪、積雪のニュースが相次ぐようになりました。すでに富士山も冠雪しているとのことなので、今冬は昨年に比べて一段と寒さが厳しくなりそうです。

　寒さの苦手なニンゲンさん（私含む）は厳冬シーズン本番を前にして、もう辟易としていますが、お馬さんたちはひ弱なニンゲンさんとは違って耐寒性があるので、どうやら雪国でも元気なもよう。

　試される大地、北海道からの馬便りが楽しみな季節となりました。何気なくYahoo! ニュースを流し読みしていたら、見慣れた牧場さんのお名前が。

　その御名も、Yogiboヴェルサイユリゾートファーム。

　元タカラジェンヌであるご夫人と若き息子社長さん率いるイマドキ手腕で大注目の観光牧場さんです。

　引退した名馬たちがのんびりと余生を過ごす繋養（けいよう）牧場であり、近年、馬産にも心血を注がれています。

「馬もダメにするクッション」のプロモーション動画で、このご時世、銀行に引退馬による収益性の高さを認めさせ、融資をもぎ取った名馬アドマイヤジャパンの「誰も傷つけない枕営業（放牧地でガチ寝）」、あのCMは笑撃的でした。

　試しにヨギボーを馬に見せたら、どんな反応するか……目の前に転がされたヨギボーをしばし観察し、放牧地にゴロンして、そのまま顎を乗せてスヤスヤしだしたジャパンくんの観察眼と知能の高さを改めて再認識させられた一件です。

（あれ、ヤラセじゃなくて偶然撮れた神映像なんですよね）

　当時、数々の著名人・芸能人が、ジャパンくんの神動画にCM全部持って行かれたのも衝撃の一言でした。

　確か、ニンゲンさんで唯一、YogiboのCM残ったの、長州力さんだけだった……と記憶しています。

　他にも、馬たちがヨギボーを鼻先や前脚で小突くたびに値下げするプロモーションもインパクト大でした。

　CMの最後に牧柵の上に設置された「物価高騰」概念を嘶きながら豪快に蹴飛ばした雄々しい鹿毛（かげ）馬こそ、我らが2002年ダービー馬タニノギムレットさんです。

　ギムさんもヴェルサイユリゾートさんのところで繋養されていて、現在存命の国内最高齢ダービー馬となりました、今年御歳25歳。

　人間に換算すると70代半ば、十分に後期高齢者の域です。まだまだお元気でいてほしい。

　ヴェルサイユリゾートさんでは、現時点で合計34頭の引退馬たちがのんびり暮らしています。

　余談ですが、ジャパンくん、あの神動画一本で当時の牧場全馬10年分の人参代をお稼ぎになったと大変話題になりました。

　さすが、現役時代、かのディープインパクトに最後まで喰らい付いた漢、頼もしい限りです。

　そんな元気なおじいちゃん、おばあちゃん馬たちが、今年牧場に積もった雪に大はしゃぎしている——というのが、冒頭ニュース記事の内容でした。

　各馬名入りのスタイリッシュな馬着（Yogiboさんによる寄贈品らしいです）をまとい、雪を蹴散らしながら駆け回る姿の何と嬉しそうなこと。

　放牧に出されるや否や、勝手に雪原ステークスUターン1000m（仮）を始める馬たち。馬は喜び、放牧地を駆け回り、牧場犬も続いて駆け回る、というこの時期の風物詩です。

　あ、そうそう。

　Yogiboを買う時、ヴェルサイユリゾートさんの提携コードを申告すると、売上金の5％が牧場に還元される仕組みになっているそうです。詳しく知りたい人がいたら、ヴェルサイユリゾートさん公式動画の概要欄に確か詳細が載ってました。

　もしクッションでダメになりたいと思った時は、ヴェルサイユリゾートさん経由でコードをゲットしてからYogiboを検討してみてくださいな。馬たちが少しだけ幸せになります。

　あと、Yogiboさん。

　ヴェルサイユリゾートさんと馬主さん方と何とか折り合いつけていただいて、引退馬モチーフのヨギボーカバー売ってください。お願いします。（クッションでダメになった人の土下寝図）