——結城side




銀座のビルを出て15分くらい・・・・行き先も分からないまま私は涼君の車の助手席に乗っている・・・・。


って!!!


知り合って直ぐに車に乗るとかッ・・・私頭大丈夫かな。


今更そんな事を思う。


チラッと運転をしている涼君を見ると・・涼君も私の方を見て・・・・。


「結城ちゃん家何処?」


あ・・・・。


「あ、・・・えっとー・・白金台・・・・。」


「へぇーー、良いとこ住んでるね!早く帰らないで平気???」


「えっと・・・・」


ここで直ぐに・・・私結婚していて、旦那さんがいるけど今は出張中なんですっ!!って言わないところが私ってずるいかな。


すると、


「旦那さん帰り遅いの???」


涼君は笑って言った。



うっ・・・

知ってるんだ。


「あのね、・・・今出張中だから家にはいないの・・・・。」


私が言うと涼君はまた笑って、


「そっか!!じゃー~、少しドライブしながら帰ろうか」


イケメンと・・・・。


ドライブッ!!!!


「タバコ吸っていい???」


涼君が窓を少し開けて言った。


「あっ!!!全然気にしないで吸ってっ?!友達も吸うし・・・・。」


私がそう言うと涼君はニッコリ笑って・・・・。


「ありがとう」


そう言って煙草に火をつけた。


暫く黙っていると・・・涼君はまた口を開いた。


「結城ちゃんと俊也ってーーー、・・・何もない友達???」


なっ・・・・


何もーーー・・・・。


さっきまでは何もなかったんだけどーーー。


でも・・・。


「あ、・・はいっ!!友達です・・・・」


うん・・・、多分ッ!


「俊也手出さなかったんだーーー」


うっ・・・・・


「あーー・・・出されてない・・・・と・・・・・思う・・・・・」



多分、さっきは間違えたんだと思う!!


うん、・・・そう思おう!!!



「じゃーー、もう一個質問!!良いッ???」


「いいよ、・・・・なに???」


私が軽く返事をすると涼君はタバコを消し、


「今日・・・俊也になんて言われて銀座に連れて来られた???」


・・・・・・・。


「・・・俊也が・・・・、私が喜ぶ場所だって・・・・・。」


私がそう言うと涼君は運転をしながら私の方を見て・・・・プッ・・・・・


っと噴き出したッ!!!


「えっ????・・・・何で笑うのッ???」


私が言うと・・・・。


「いやいや、・・・・・・喜ぶ場所ねぇー・・・・」


何々ッ?????


涼君に出会ったあの場所。


そして・・・俊也が働いていたというあの場所・・・・・って・・・・・。



一体何なんだろう。


涼君はジーー――っと見つめる私の方をまた見た。


そして、



「聞きたい???」


・・・・・////////


「あの場所が・・・一体何なのか・・・・知りたい???」


ゴクっと唾を飲み込み涼君の顔を改めて見る。


「し・・・知りたいッ!!!」


涼君は一回外を見て・・・・


「カミングアウトしたら、・・・俊也があの場所に結城ちゃんを連れて行って喜ぶって思う理由ーー・・俺聞いちゃうかもなーー・・・。」


?????


ちょっと頭が混乱した。

私が・・・喜ぶ理由???

あの場所に来たら・・・私が喜ぶ。


=(イコール)


何かに不満を感じているOR何かが足りないと思われている。



「えっ????・・・・どういう事???//////」


「俊也が俺のとこに連れて来て結城ちゃんが喜ぶって思ったならーー・・・そこには何か理由があるのかなって・・・」


俊也が・・・連れてきた理由。


って・・・・。

やっぱわからない!!!


涼君は羽田空港発着の飛行機が見える海沿いの公園の駐車場に着くと車を止めまたタバコを吸った。


「なんかこんなデートで来るような場所女の子と初めて来たかも」


そんなの・・・色んな女の子に言ってるんだろうな。

だって、メチャクチャ格好いいし・・・モテるだろうし。

そう思ったけど、


「涼君、彼女いないの????」


と、聞いてみた。


ちょっと、というか・・・かなり気になる。

でも涼君は速攻で、


「いないっ!!!」


と、言った。








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