第2章 後悔



——結城25歳。



真昼間の表参道にある某イタリアン。


「はぁっ?!」


私の前で呆れた声を出すのは親友の美佳。


いつもいつも、美佳には怒られてしまうが・・・懲りない私。


「そんな顔しないでよーー、真面目に相談してるのーーー・・・」


私は少し前屈みになって小声で言った。


美佳はそんなの関係ないって顔で、


「バッカじゃやないの???だから言ったのよ!私は最初から反対したでしょッ???」


そうなんだけど~ッ!


こうやって毎回毎回怒られているんです。

私。


「仕方ないじゃない・・もうしちゃったんだから!!!」


私はブツブツ言いながらパスタを食べた。

すると、美佳はタバコに火をつけシレっと冷ややかな目で見てきた。


うっ・・・そんな顔しないでってばぁ―・・・・。


「あんな奴と結婚するから・・・・絶対後悔するって言ったじゃない!」


グサッ


「さっさと離婚離婚!!結婚生活続ける意味もないし、時間の無駄!」


グサッ


「だって、なんて切り出したらいい??理由とかも明確にないし・・・」


そう。

私は今の結婚生活に不満。


何か大きな問題がある。

という訳ではないが、今の結婚生活に疑問を抱いていた。


食事を終え、私と美佳が


あーでもない、こーでもない。

と、揉めていると・・・食後のコーヒーとデザートが私たちの目の前に置かれた。


美味しそうなパンナコッタがプルンっと皿の上で揺れた。


「わっ!!美味しそうーー俊也サンキュー!!」


私が笑って言うと、パンナコッタを持って来た俊也は笑って、


「これ食って少し黙れ!さっきから、お前らうるせーうるせー!営業妨害!」



私と美佳と俊也は、実は同じ高校を出ていて俊也は今はこのお店のオーナーさんだ。


「俊也言ってやってよ!!この子会う度旦那の文句言ってるから、もう離婚しろって毎回言ってるのにまだ離婚しないのよ???」


美佳がそう言ってる間に私は俊也が持ってきてくれたパンナコッタに手を伸ばし小さなスプーンでそれをすくって口に運んだ。


んっ・・・。


「美味しいーーー!」


私が言うと俊也は笑って・・・・私の横に腰掛けた。


「お前さ、・・・もしかして旦那とセックスレス???」


ッッ・・・・//////!?


俊也から言われた突拍子もないそんな言葉。


痛いところを突かれる。


私はパンナコッタをまた口に運び、


「いいじゃないっ!!そんな事どうだって!!!」


私が言うと俊也は私の椅子の背もたれに手を掛け、


「今夜も旦那遅いの???」


そう言って笑った。



黙っていると、目の前に居た美佳がゲタゲタ笑って


「アンタ、今更結城口説くの???」


って・・・・。



思わずシレっと隣の俊也を見た。

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