第5話
オシッコを我慢すると力が入って卵が割れそう…だけど力を抜いたらオシッコが漏れちゃう…
誰か助けて…
ーーーー
「そんなにガクガク震えて」
「!!」
「卵まだ入ってんな。ご褒美をやるよ」
鈴木さんが頬杖をついて私を見ている。
一睡もできなかったし、凄く夜が長かった。
部屋に時計がなくて何時か分からないけれど陽がでているから朝だと言うことは分かる。
髪が汗で顔に張り付いて気持ちが悪い。
「…トイレに行かせてくれるの?」
「トイレには行かせないけど、導尿してやる」
「え…?」
鈴木さんは私に管みたいなものを見せてきた。
やっぱり普通にトイレには行かせてくれないんだ…
凄く辛かったのに。
「ど、導尿って」
「これからはこの中にションベンすればいいから」
「やだ…」
「やだ?」
あ、やだ、って言っちゃった。
ーードガッ
しまった、と思ったと同時に鈴木さんが私のお腹を蹴った。私はベッドから飛ばされ、壁に背をぶつけた。
「う、ぅう…」
鈴木さんもベッドから降りて、こっちに近づいてくる。
「ごめんなさい、私…ごめんなさ…」
ー…血の気が引いていくのがわかる。
「抵抗するなって言ったよな」
「も…蹴らな…で…卵が割れちゃう」
鈴木さんは私の髪を掴んで体を起こすと
「卵ちゃんと守ってるんだ?ふーん」
と言った。
またベッドに投げられて。
尿道に管を入れられた。
「ションベンが凄い勢いで入っていくね」
…冷たい。
鈴木さんの体温も、言葉も、雰囲気もなにもかもが冷たい。
「泣くな。卵、出して」
「………はぁっ」
私はあそこに力を入れて、卵を押し出した。やっと卵と尿意から解放された。
もう、恥ずかしいとかそんな気持ちはない。家に帰りたいけど、きっと私はもう帰れないんだろう。
友達との約束はドタキャンになっちゃうし、月曜日からの仕事はどうしよう…
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